2020年3月11日には東日本大震災から10年目を迎えます。その後も国内では数々の災害が相次いだため備蓄を強化した人も多いのではないのでしょうか。
備蓄品も定期的にチェックしておかないと危険な場合があります。例えば缶詰。ネット上には「賞味期限切れの缶詰が破裂した」という情報が書き込まれ話題になっています。賞味期限内であればこのようなことは起きませんが、期限が過ぎている場合にはまれに起こります。

賞味期限切れの缶詰は破裂する可能性あり!
消費生活センターには、缶詰が膨張したり破裂した事例が複数報告されています。どれも賞味期限切れの缶詰です。
東京都
- 8年前に購入したみかんの缶詰が突然破裂した。他の缶詰も確認したら、膨らんでいた。
- 10年前に購入し、災害用に保管していた果物の缶詰が粉々に破裂していた。
北海道
- 購入してから数年間保存してあったトマト缶が膨張していた。台所で処分しようとしたところ破裂した。
缶詰はなぜ破裂するのでしょうか。北海道立消費生活センターは、原因として以下の2つをあげています。
- 加熱処理が不十分であったり缶に小さな穴があったりすると、缶内部で細菌が繁殖してガスが発生する。
- フルーツ缶詰では、缶内部の金属とシロップの酸が反応して水素が発生する。

コープこうべサイトにも、みかんの缶詰が破裂した事例が掲載されています(コープこうべより)
膨張した缶の処分には注意が必要です。日本缶詰びん詰レトルト食品協会では以下の方法を推奨しています。特に缶切りを使わないで開けられるタイプの場合は、膨張の程度にもよりますが、少しの衝撃を与えても破裂する場合がありますので慎重に行う必要があります。
- ビニール袋などをかぶせて(包んで)から作業しやすい場所に移動する(汚れても良いものであれば雑巾などをかぶせてもよい)
- 開けた時に中身が飛び散ることがあるので、ビニール袋や雑巾をかぶせたままプルタブを起こしてガスを抜く
ガスが抜ければ破裂の心配はないので、開缶して中身と缶容器を廃棄してください。缶切りを使って開けるタイプの場合も同様に保護した後に缶切りなどで一度穴をあけてガスを抜きます。
日本缶詰びん詰レトルト食品協会によると、缶詰は常温でおよそ3年間保存できます。缶詰は賞味期限の日付が経過したからといってすぐに食べられなくなってしまうことはありません。ただし、「おいしさ」という観点からは、賞味期限からの経過期間が長くなるほど期待が薄くなるということなので、期限内に消費した方がいいことは間違いないでしょう。
ネット上には缶詰が膨張したという投稿がされています。これを機会に、一度ご自宅の備蓄品の賞味期限チェックをしてみてはいかがでしょうか。
(高橋ホイコ)
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