英ロンドンの病院で、プロのバイオリニストが脳腫瘍の摘出手術を受けている最中にバイオリンを生演奏したことが話題となっています。

脳の手術中にバイオリンを弾く患者
2月18日に脳腫瘍の摘出手術を受けた、ダグマー・ターナーさん(53歳)は、英ワイト島交響楽団に所属するプロのバイオリニスト。ところが2013年の公演中に発作を起こし診断の結果、神経膠腫(グリオーマ)と判明したのです。
腫瘍は悪性度がグレード2でこれ以上悪化させないためにも放射線治療を続けていたターナーさんでしたが、2019年の秋に腫瘍が大きく成長していることが判明したために、腫瘍の除去手術を受けることに……。

手術中に麻酔から起こされバイオリンを弾く
ターナーさんの腫瘍は脳の前頭葉にあり、左手の微細な動きを司る領域の近くにありました。彼女にとって、バイオリンの弦を押さえる左手の力加減が制御できないことはプロのバイオリニストとして演奏が続けられなくなることを意味します。
そこで手術を執刀するキングス・カレッジ病院の神経外科医、キヨマーズ・アシュカン医師は、ターナーさんに手術の最中にバイオリンを演奏するよう提案しました。これは左手の動きを制御する脳の重要な領域に損傷を与えないようにするためのものでした。
アシュカン医師もまた、音楽の学位を持つピアニストであり、ターナーさんの音楽に対する情熱をくみ取ってのことだったようです。
手術中のターナーさん
手術当日、腫瘍を摘出するため開頭手術が行われ、ターナーさんは麻酔から一旦起こされバイオリンを演奏し始めました。それによって医師らは言語と運動を司る領域を特定しながら、腫瘍を摘出していったのです。2時間にわたって行われた手術は無事成功し、手術の3日後にはターナーさんは退院出来たそうです。
画像はYouTubeから
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