円谷プロダクションは、米国で「ウルトラマン」シリーズの日本国外利用権について争っていた訴訟で勝訴が確定したと発表しました。

ウルトラマン(「円谷プロ、米国のウルトラマン海外権利訴訟で勝訴 タイ人実業家の契約書は「真正ではない」との判断」から)
きっかけは2015年5月18日にユーエム社が「ウルトラマン」シリーズの日本国外での利用権について、「円谷プロダクションが権利を侵害している」とアメリカ・カリフォルニア中央地方裁判所に申し立てたこと。
ユーエム社はこれまで、円谷英二氏の息子である故・円谷皐(のぼる)氏とタイ人実業家であるサンゲンチャイ・ソンポテ氏との間に「ウルトラQからウルトラマンタロウまでのシリーズを日本を除く全ての国において、期限の定めなく独占的に利用許諾する」という契約書が存在しており、この契約を承継したと主張してきました。
訴訟ではこの契約書が本物かどうかが争点となり、2018年4月に地裁では「真正な契約書ではなく、効力はない」との判断が下されました。ユーエム社は同年5月に一審判決を不服として控訴しましたが、2019年12月5日に控訴裁でも、真正な契約書ではないという一審判決が全面的に認められました。
ユーエム社が2020年3月4日の期限までに上告しなかったため、円谷プロダクションの勝訴が確定しました。またユーエム社は、円谷プロダクションへの権利侵害に対する損害賠償や訴訟費用について、日本円で約4億円の弁済を命じられています。

「本件訴訟における確定判決は、長い時間と膨大な労力をかけた精緻な証拠開示手続きに加え、各当事者の主張を補完する多数の証人の証言、筆跡鑑定の専門家の鑑定意見等を経て出された結果であり、極めて高い信頼性と真実性が伴ったものであります。この判決を踏まえ、現在進めているウルトラマン作品の積極的な海外展開をより一層強化し加速させていく所存でございます」(円谷プロダクション)
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