「遅刻ちこく〜」と、あわただしい登校シーンで始まる漫画「古典的ロボット少女のラブコメ」が本当に古典的です。導入ばかりか、ロボ少女の設定まで古典的なせいで、ラブコメが始まりそうで始まらない。

主人公は昔ながらのロボット少女「相冊 明日萌 F(あいざく あすも F)」。ベタに遅刻しかけてベタにさしかかった曲がり角でベタに男の子と衝突してしまいます。


尻もちをついてしまったところに手を差し伸べられて、ほほを赤らめる明日萌。ラブコメのお約束通りならばここで恋が芽生えるところですが、ぶつかったときに彼がすりむいた手に気付いた瞬間、話はおかしなことになってしまいます。

「ごめんなさいッ!!」と走り去るやいなや、明日萌は大爆発。男の子にケガをさせた行為がロボット工学三原則第一条「ロボットは人間に危害を加えてはならない」に引っ掛かり、自爆を余儀なくされたのでした。急に古典SFの設定出てきたよ!

漫画家の加藤拓弐(@isiyumi)さんがTwitterで公開したこの漫画は、SF作家のアイザック・アシモフが自著でロボットもののテーマとして示した「ロボット工学三原則」に準拠したもの。加えて、原則に違反したロボットは自爆するルールが設けられているようです。ペナルティーきつすぎません?
加藤さんは反響を受けて、第2段「古典的ロボット少女の友情」を公開。明日萌のバックアップなのか同型の別個体なのか、再登場したロボ少女が同級生と交流します。

しかし、宿題を見せてくれたお礼にと、タピオカドリンクを「受け取りなさい」とすすめられたことで困った事態に。第二条に「ロボットは人間に与えられた命令に服従しなければならない」と規定されている以上、受け取って飲むのが自然ですが、主人公には食品の分解機能がありません。飲めば故障は必至で、第三条「ロボットは自己を守らなければならない」に抵触してしまいます。かといって飲まずに返せば、いずれは第二条違反に……ああっなんて難儀な!

ジレンマに苦しんだ末に、主人公は「飲む」を選択しました。その決め手は、各条項に抵触する問題が同時に発生した場合、第三条より第二条、第二条より第一条を優先とするロボット工学三原則の基本ルールかもしれませんが、漫画は「友だちがせっかくくれたものを飲みたかった」気持ちを主要因として描いています。

己の性能では識別できない味を「とても……きっとおいしいよ!」と言って、友人と笑い合う主人公。その後彼女は、下校途中で人知れず自爆するのでした。最後も三原則を守ろうとしたのかな……。

あまりにも切ない読後感に、読者からは「なんてロボットに厳しい世界なんだ」「違反=自爆のプロセスはなんとかならないのか」など、ルールを恨む声が上がりました。「アトムやエイトマンのように、口に入れた物を保管する機能があったらよかったのに」「優先順位の高い第二条に従ってタピオカを飲んだのだから、第三条には違反しない可能性があるのではないだろうか」など、主人公が生き残れる道を探す人も散見されます。
作品提供:加藤拓弐(@isiyumi)さん
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