小さな女の子が描いた家族の絵に思わぬものが……泣ける展開かと思ったら、ラストで涙が一瞬で引っ込む漫画が人気です。作者はイラストレーターの茶んた(@Chanta_in_inari)さん。タイトルは『ちょきちょきさん』です。

お絵描き好きのえみちゃんに、ママが「今日は何を描いてるのかな?」と尋ねると、「家の中のみんなを描いてるの」とお返事。紙にはえみちゃん、ママとパパ、もう一人の子ども、それにハサミのようなものを持った黒い影と、曲がりくねった線だけの何かが描かれていました。

えみちゃんは黒い影のことを“ちょきちょきさん”と言い、はさみでちょきちょきしながら追いかけてくる怖い人と教えてくれました。えみちゃんはさらに、「でもねー、マキお姉ちゃんが助けてくれたの」と不思議なことを言います。えみちゃんが描いていたもう一人の子ども、それがマキお姉ちゃんでした。しかしマキちゃんは3年前に病気で他界しています。マキちゃんが「ずっと見ててくれた」というえみちゃん。お姉ちゃんがちょきちょきさんから妹を守ってくれたのでしょうか……。



ママはもうひとつの絵についても恐る恐る尋ねます。するとえみちゃんはこう答えたのです。
「ヘルカイザードラゴン」
しんみりモードから突然の遊戯王!? 「なんで地獄の竜が我が家に!?」と驚くママに「お姉ちゃんが連れてきた」とえみちゃんは平然と答えますが、反対にママは気が動転してしまいます。まさか天国に見送ったはずの娘が地獄に堕ちたなんて……。ところで「ちょきちょきさん」はどうなったの?
しかしこの話はまだ終わりません。また家の中のみんなを描いていたえみちゃんの元に、今度はパパが来ました。今回もちょきちょきさんが描かれていて、ママも心配です。その上えみちゃんの絵にはもう一人女性が増えていました。「これはパパの新しいお嫁さんだよ」――ずっと“一人”でしゃべっているえみちゃんを心配したパパは、再婚を決めていました。実は今まで側にいたママも、本当は亡くなっていたのでした。



ようやく自分が死んでいると自覚したママの元に、マキちゃんが迎えに来ました。「さあ、ヘルカイザードラゴンに乗って!」。ヘルカイザードラゴンを連れてくることができるマキちゃん、地獄で何をしているの……?

亡くなったお姉さんが密かにえみちゃんを守っていた……という泣ける物語かと思ったら、オチですべてを持っていくヘルカイザードラゴン。タイトルで存在感を放っていたはずのちょきちょきさんがどうなったかというと、作者は読者へのリプライで「たぶん消し炭になった」と投稿しています。ヘルカイザードラゴンの圧勝……!
漫画には「展開急すぎて草」「ヘルカイザードラゴンに全てを持ってかれるちょきちょきさん」「お姉ちゃん&ヘルカイザードラゴンに拮抗するちょきちょきさん強い」など、ちょきちょきさんへの哀悼のリプライが寄せられています。
画像提供:茶んた(@Chanta_in_inari)さん
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