マスク、トイレットペーパー、消毒液など、生活必需品を狙った転売が相次ぐフリーマーケットサイトで新たな問題が噴出しています。消毒液の代用として酒造メーカーが提供している「アルコール度数の高い酒」が高額で出品されるケースが増えているのです。
これに対しネット上では「消毒用であっても酒の販売は酒税法に違反するのでは?」と指摘する声が上がっています。たとえフリーマーケットサイト上であっても、無免許で酒類を販売することは違法とみなされるのでしょうか。国税庁に取材しました。

アルコール度数の高い酒を消毒液として認める特例を受け、各酒造メーカーから「消毒用の酒」の提供が開始しています。一般向けに販売されている商品もあり、例えば高知県の菊水酒造は高濃度のスピリッツ「アルコール77」の提供を4月10日より開始しました。
同社の代表取締役社長は発表に際し、2018年7月の豪雨で甚大な被害を受けたときに各方面から受けた支援に感謝の言葉を述べつつ、その恩返しとして「当社の有する製造設備等を活用して、みなさまのお役に立てる製品を提供する」と述べています(関連記事)。
しかし、そんな志で発売されたアルコール77も転売ヤーの餌食に。例えばフリーマーケットアプリ「メルカリ」では、アルコール77が定価1200円を大きく超える9800円で出品されているのが確認できました(4月17日時点)。

国税庁はねとらぼの取材に対し「たとえ消毒用だったとしても、お酒を販売するためには『酒類販売業免許』が必要です。フリーマーケットアプリを使用する場合でも、酒類を何度も継続して出品する場合には免許が必要となります」とコメント。
ただし全てのケースが該当するわけではなく、例えば「家に余っていたお酒を1本だけ出品する」「景品で当たったが飲めないから出品する」といった出品であれば問題ないとのこと。とはいえ、こうした理由であったとしても、何度も酒を販売している場合には違反とみなされる可能性が高いそうです。
国税庁は「フリーマーケットアプリ等に酒類が高額で出品されている状況は存じ上げており、税務署の職員も注視しています。酒税法違反に該当する可能性がある出品者には指導を行い、場合によっては罰金の納付を求める可能性もあります」と述べています。
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