夫婦で家事の分担について協議するため、必要な作業を互いに書き出してみたら、妻から4K並に細やかな工程表が提出された――。ある夫婦の、家事への認識の差を示すエピソードが興味深いです。工程表、Excelで190行もあるのか……。



工程表をTwitterで紹介したのは、夫のカタオカ(@peterminced)さん。家事の分担を明確にすることで、外出自粛中の家庭内衝突を防ごうと、夫婦でそれぞれ家事のタスクを洗い出すことにしました。
そしてカタオカさんは、朝夕の炊事や子どもの世話、洗濯や掃除などの作業を、テキストで簡単にまとめました。その一方、妻が作成したのは、膨大なサイズのExcelファイル。ビジュアルだけで圧倒されますが、内容をよく見ると、その細かさにあらためて驚かされます。
例えば、起床時の子どもの世話一つとっても、「カーテンを開ける」「起こす」「スリーパーを脱がせる」「トイレへ行かせる」「手洗いをさせる」と、一連の動きを別項目で記載。お風呂の準備も、「フタをこすり洗い」「浴槽をこすり洗い」「シャワーをかけ汚れを落とす」「お湯張りスイッチを押す」「フタを閉める」「出入口に珪藻土マットを敷く」に分けて記載されています。なんだかプログラミングみたいですね。

さらに、朝カーテンを開けるタスクには「朝日を取り込むことで脳・神経を目覚めさせるため」、お風呂掃除には「皮脂汚れ、水垢を除去するため」など、「各工程がなぜ必要か」まで記載。細かすぎる印象はありますが、「何を」「何のために」「どうやって行うか」が明文化されることで、家事に関する認識がより共有しやすくなり、互いに納得して作業できると思われます。
ツイートは広く拡散。「家事を細分化し過ぎではないか」との意見もありますが、「『名もなき家事がついに日の目を見る』と感動」「Googleスプレッドシートにコピペして共有してほしいくらいすばらしい」といった好意的な意見が多数を占めているようです。
「ここまで書かないと、こちらが何をしてほしいか相手には伝わらないので、気持ちは分かる」といった共感の声も多数。カタオカさんも反響を受けて、「世間でよくある『夫:けっこう家事してるんだけど……』『妻:夫が全然家事してくれない』の間にある高い壁は、家事解像度の差なのでは」と述べています。
編集部が詳しい話を聞いたところ、カタオカさんの妻は2年前に大手通信会社を退職し、現在は看護師を目指して再入学した大学で勉強中。工程表に各作業の根拠が盛り込まれているのも、看護学学習のたまものだといいます。
工程表はその後、A4サイズ1枚に収まるようレイアウトを調整してひとまず完成。カタオカさんはふとしたときに見て、家事に抜けや漏れがないかチェックする習慣がつきました。妻からも、「いちいち指示しなくともやってくれるようになったので、作って良かった」といわれているそうです。

事を振り返って、カタオカさんは「家事分担のいさかいは感情論的やりとりになりがちですが、言語化されることで冷静に考えられ、私自身認識を改めることができました」とコメント。なお、まだ表に反映されていなかった家事があったため、項目は今後も増える見込みだそうです。
画像提供:カタオカ(@peterminced)さん
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