「お宅のお子さんが私たちのポルノ動画を見ましたよ」とポルノ俳優が家に訪ねてくる――ニュージーランド政府が公開した啓発動画が「これはすごい広告だ」「感銘を受けた」などの関心を集めています。
啓発動画は服を着ていない男女が家のインターフォンを鳴らす場面から始まります。出てきた婦人は2人の姿を見て動揺を隠しきれない表情をしますが、「お子さんが私たちを検索したので、会いに来ました」と聞いて、困惑しながら「お客さんが来たよ」と息子を呼びます。

裸の男女を前に困惑せざるを得ない(画像はYouTubeより)
息子が姿を見せるまで、訪問者の男女はPCやスマホ、タブレット、ゲーム機などで自分たちの動画が見られていると説明。婦人は状況を受け止め切れていない様子ですが、女性は「私たちの動画は大人向けだけど、あなたの子どもはまだ小さいでしょ」「動画ではいきなり(性行為を)始めるけど、息子さんはまだ恋愛関係も理解できていないかもしれない」と語り、男性も女性の意見にうなずきながら「僕は普段の生活であんなふうにしないよ」と顔をしかめます。

「お宅の息子さんはまだ若すぎるでしょう」(画像はYouTubeより)

「リアルであんなことしない」と男性(画像はYouTubeより)
婦人が困り切った様子で話を聞いているところへ、ノートPCと食事を両手に持った息子が登場。2人の姿を見てすぐにその正体に気付いたようで、ショックで食事を床に落とします。

訪問者を目にしてショック(画像はYouTubeより)
息子が“訪問者”の正体を知っていることから全てを理解した婦人は、「ネットと現実が違うものだということについて話し合いましょう、良いとか悪いとかじゃないのよ」と優しく、真剣な声色で語りかけました。
訪問者が何も言わずに、少年に親指を立ててほほえみかけると、「多くの若いニュージーランド国民はポルノで性行為を学んでいる」とナレーターが現状を語り、「KEEP IT REAL ONLINE(ネットでも現実を忘れないようにしましょう)」と文字が表示され、動画は終了します。
ニュージーランド政府は「KEEP IT REAL ONLINE」に関連して、ポルノ動画だけでなくネットいじめやネットグルーミングについての動画も公開しています。ネットグルーミングは日本でなじみがない表現ですが、内閣府によると「成人が性的行為を目的として青少年に接触し親しくなる行為」として使われる言葉です。
動画のコメント欄には、ニュージーランド政府のユニークな動画広告に対して「Keep It Real Onlineという広告に感銘を受けた」などの好意的なコメントや「(ナレーターの言葉に反応するように子どもが)おどおどしながらキッチンの様子をじーっと見ていた」とお茶の間で広告動画が流れている様子が目に浮かぶコメントなどが寄せられました。
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