オラア! 夏本番です。アツい季節にキラキラしたときめきを感じている方も多いはず。が、しかし、世間はいまだコロナ禍。フェスは中止、夏祭りは中止、そして花火大会は中止と、とてもじゃないけど物足りない、従来の常識とはまったく違う夏がやってきてしまいました。
さて、そんな状況でも楽しめる夏の風物詩を考えてみましょう。海、山、川……夏らしいとされるものは数多くありますが、大事なものを忘れてはいませんか? そう、たけしです。夏といえばビートたけしなんです。

日本はもちろん世界中にファンを抱える、映画監督としての北野武。僕は彼の作品が大好きで、画面からほとばしる才気とセンスに創作意欲を叩きつぶされそうになる思いを何度も味わってきました。それでも、夏になるとたけしの映画を観ずにはいられないのですね。なぜなら“キタノブルー”と呼ばれる青みがかった映像が、どうしようもなく夏を連想させるから。時代・時世に関係なく私たちに寄り添ってくれる彼の“夏の映画”を改めて紹介させていただきたいと思います。
「菊次郎の夏」

祖母と2人で暮らす小学生のマサオは夏休み初日、生き別れた母親に会うため家を飛び出した。それを心配した近所のおばちゃんは、行くと言って聞かないマサオに、自身の夫を付き添わせる。こうして、マサオとおじちゃんのひと夏の旅が始まったのだが……。
たけしのフィルモグラフィの中で唯一、少年が主人公に据えられた作品。たけし軍団の芸人も多く出演しており、全編コメディに徹した内容ながらも、マサオとおじちゃんとの心あたたまるドラマからも目の離せない、とにかくいとおしい映画です。
終業式を終えた帰り道、ガラの悪い中学生を避けて家に走る。ちゃぶ台に用意された食事を食べ終えたら、サッカーボールを持って習い事に行く。友達の家の玄関先から「〇〇くんあそぼ」と声をかける。平日に宅配便がやってきて、ハンコの場所が分からず探し回る。おやつに出されたスイカの横に塩が添えてある。――そんな夏休みの原風景がオープニングから次々飛び出し、ノスタルジーだけで泣きそうになってしまいます。
たけし演じる粗暴なおじちゃんを引率に、行き当たりばったりの旅へと出ていくマサオ。おじちゃんは完全なクソ野郎で、道中で何度も悪事を重ねるんですけど、そこはたけしですから、ギリギリ憎めない絶妙な塩梅(あんばい)で笑わせてくれるのです。本当に結構ギリギリですけどね。夏の遊びも、大人の遊びもたくさん知っていて、口も達者なおじちゃんは、無職なれど子供の目にはヒーローに写ってしまう。おじちゃんの方も、自分を“大人”扱いしてくれるマサオにある種のいやしを感じ、徐々に父性のようなものが芽生えていくという。映像美のみならず2人の関係性からも目が離せません。
加えてロードムービーとして特筆すべきは、丁寧に描写される「別れ」の描写。旅先で2人はさまざまな人物と出会いますが、その誰もが「じゃあね」と手を振って笑顔でカメラからフェードアウトしていくのです。見ているこちらも名残惜しくて仕方ないんですよ。一期一会の儚さこそがひと夏の旅の醍醐味(だいごみ)なのだと教えられたような気がしました。たけしから登場人物たちへの誠実さを感じる部分でもあります。
中盤には悲しい展開が待ち受けているのですが、そんなこと知るかと言わんばかりに夏を遊びつくす終盤は、そのあまりの美しさに泣けて泣けて。美しすぎて泣く、という体験をしたのは後にも先にも本作だけです。
夏も、人間も、たけしも大好きになってしまうこと間違いなしの、ロードムービーの最高傑作! それくらいの勢いでオススメしたい映画です。
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