「ゴミに餌付いたヒグマによる人身事故はいつ発生してもおかしくない状況です」「ポイ捨てはしないでください」――北海道・知床でゴミのポイ捨てが多発し、ポイ捨てをやめるよう呼びかけた、知床財団のツイートが大きな反響を呼んでいます。


投稿したのは、知床の自然を「知り・守り・伝える」ための活動をしている知床財団が運営するTwitterアカウント「Bear Safety Shiretoko(@bear_shiretoko)」。フンベ川周辺で中身の入った納豆や釣り餌などを回収したと報告し、食物の投棄がヒグマへの餌付けとなる可能性があり、ひいては人身事故につながる恐れがあると釣り人に警鐘を鳴らしています。
編集部が同財団に詳しく聞いたところ、ゴミ問題は「ほぼ毎日確認されるような問題」とのこと。同財団のTwitterや活動報告ブログでもたびたび食べ物を含むゴミの投棄が報告されています。人間の食べ物の味を覚えた野生動物が道路に出てきて車にひかれる恐れがあることや、ヒグマが人の食べ物を求めるようになって人に危険が及ぶ可能性を同財団は警告。人に危険が及ぶとなればヒグマは殺されてしまうことになります。

「人為的な食べ物を口にした野生動物が駆除または交通事故等により命を絶たれるケースが発生しています」「人間のゴミで他の生き物が犠牲になっていいはずがありません」と同財団は訴えています。
知床国立公園でのヒグマによる人身事故は奇跡的に数十年間発生していないとのこと。しかし、これまでにもヒグマが釣り人の魚を奪う、ザックを荒らす等の人身事故が発生しかねない状況がたびたび発生しているといいます。そのため、「ヒグマによる人身事故はいつ発生してもおかしくない状況」のようです。
同財団では知床のヒグマに関する総合的な情報を「知床のひぐま」というサイトで公開しており、その中でヒグマ対処法も紹介。「ゴミを捨てたり、食べ物を野外に放置しない」「調理や食事はテントから離れたところで」「テントの中で食料を保管しない」といった注意事項が書かれています。自分から餌を与えないことももちろんですが、ゴミを捨てることによって間接的な餌付けになってしまうことも避けなければいけません。「ゴミのポイ捨ては餌付けと同じ行為です。ゴミは必ず持ち帰るようお願いします」と呼びかけています。

画像提供:知床財団/Bear Safety Shiretoko
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