医者も熱中症になる夏――暑い夏の日に通勤途中の医師に起きた体験を紹介するレポ漫画が、予期せぬタイミングで襲いかかる熱中症の恐さを物語っています。

医師として働く作者の尾羊英(@a_aries06)さんは、とても暑い夏の日に、職場までの道のりを歩いていました。日傘を差し、水分補給もして、十分な熱中症対策。気分転換と体力づくりを兼ねて、40分ほど道のりを楽しんでいました。




職場まであと5分ほどというところで、景色から色がなくなり、チカチカと点滅しだします。異変はそこで終わらず、急に大量の汗が出てきて、肩に食い込むようにカバンが重くなり、めまいも。
熱中症だと察しが付いた尾羊さん。持病がなく、成人していて、熱中症対策もしている上に、普段から患者に「熱中症には気をつけて」と伝えている自分が普通に歩いていただけで熱中症になるだろうかと戸惑います。そして思考は「古代エジプトの人々はピラミッド建設中にうやって熱中症対策をしていたか」に……熱中症の危険を十分に理解している医師がピラミッドについて考え出してしまうほど、暑さで思考がめちゃくちゃになっていることが伝わってきます。
なんとか歩き続けて職場に到着し、ポカリスウェットや冷房で体を冷やしましたが、1日不調が続くことに。尾羊さんは健康で知識があって対策をしていても油断は禁物として、漫画の最後で「熱中症かな!?と思ったら」実施するべき対処法を紹介しています。
1つは水分がとれるならポカリやOS-1で水分と塩分を補給すること。水やお茶は塩分が薄まってしまうので、自販機などで手に入るスポーツドリンク類を速やかに飲むべきだとしています。さらに冷たい血が体全体にめぐるよう、首、ワキ、足のつけ根にある大血管を冷やすこと。もしグッタリしている場面に遭遇したら、迷わず119番しましょうと訴えていました。
また、尾羊さんは漫画では描かれていなかった注意点として、「マスクも熱中症の一因になる」として厚生労働省が推奨する「屋外で人と2メートル以上離れられる密でない場所ではマスクを外すこと」を紹介してくれました。厳しい残暑が続くので、「暑い日はなるべく涼しいところでダラダラしましょう」と、無理のない生活を呼びかけています。
なお、尾羊さんは漫画家としても活躍中。8月末にはの新作『災禍の神は願わない』(ZERO-SUMコミックス)の最終第2巻が発売されたばかりです。同作では神々が統べる古代エジプトを舞台に、兄王殺しの罪に問われた軍神・セトが主人公。時間をさかのぼり、兄の死の真相を突き止めようとする物語となっています。
尾羊さんが熱中症で思考が乱れた際に、思わず「ピラミッド建設時の熱中症対策」について思案してしまったのは、こちらの影響だったんですね!
画像提供:尾羊英(@a_aries06)さん
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