2020年イグノーベル賞の受賞者が発表され、「ヨウスコウワニをヘリウムガスに満ちた密閉空間の中でうならせた」として、京都大学霊長類研究所の西村剛准教授らが参加した共同研究が音響学賞を受賞しました。

ワニの声がヘリウムガスで変化することを発見(画像はYouTubeより)
イグノーベル賞は、1991年に創設されたノーベル賞のパロディー。公式サイトでは、「人々を笑わせ、そして考えさせた功績を称える賞」と説明されています。
西村准教授が受賞した研究は、オーストリアやスウェーデンなどから集った研究者たちが共同で行いました。実験では雌のヨウスコウワニを対象に、ヘリウムガスを吸った際に声が変化するかを検証。人間がヘリウムガスを吸うと、まるでボイスチェンジャーを使ったように声が異様に高くなりますが、ワニの場合も同様に声が変化すると確認されました。

ヘリウムを吸い込んだ場合とヘリウムを吸い込んでいない場合の声を比較(画像はYouTubeより)
人間の場合、ヘリウムを吸い込んだ状態で声をだすと、声道で共鳴する音の振動数が上がり、声が高くなります。研究ではワニの声が、ヘリウムガスを吸い込んだ状態とそうでない状態の音声データを解析して、変化があることを確認。このことから、ワニが人間のように共鳴を使い声をつくることが明らかとなりました。

ヘリウムを吸い込んだワニ(画像はYouTubeより)

音声データを解析(画像はYouTubeより)
また、平和賞としてインドとパキスタンの外交官が互いにピンポンダッシュで嫌がらせをしていることが選出されました。1947年にインド帝国がイギリス領から独立する際、一部の地域がインドとパキスタンに分割されましたが、カシミール地方の領土問題は現在も続いています。
インドとパキスタンの外交官が互いに夜中のピンポンダッシュやイタズラ電話を繰り返していることが、地元紙などで報道されており、皮肉を込めた授賞となったようです。
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