Twitterユーザーのねんまつたろう(@KITASAN1231)さんが投稿した、麻酔銃の理想と現実を描いた漫画が参考になると評判です。
理想vs現実

10月は日本全国でクマの目撃情報や出没が相次ぎ、街中に降りてきてしまったクマが射殺されるという事件が続いています。そしてクマの射殺がニュースになると「射殺はかわいそう」「麻酔銃で眠らせて山に帰せないのか」という声が聞こえてきます。
2020年は猛暑による山の食料不足のせいか、クマの目撃情報や痕跡情報が頻出しています。その中で、麻酔銃への関心も高まっているようです。けれども、実際に麻酔銃を扱うにはかなりのハードルがあります。

日本にはヒグマとツキノワグマという、2種類のクマが生息しています。本州に生息するツキノワグマはヒグマよりも体は小さいものの力は強く、時速40キロものスピードで走ることができます。人間が本気でクマに襲われたら、ひとたまりもありません。
「麻酔銃の理想」としては遠くから安全にクマを狙って撃てる、命中すればクマが一瞬で眠る、殺傷能力がなく誰にでも撃てる、そして麻酔で眠ったクマを山に帰す……といったもので、麻酔銃がこのような理想的なアイテムだと思っている方も多いことでしょう。

しかし実際には射程が10〜15メートルほどと短く(※麻酔銃の種類によって異なる)、連射できないため1発で命中させなければならず、命中してから効果がでるまでに時間がかかる上に麻酔弾を撃てるのは獣医師など特定の免許を持った人だけ……というのが「麻酔銃の現実」です。
更に免許を持っていたとしても実際に動くクマに対して麻酔を撃つ訓練をしたことがある人は少なく、また撃たれて興奮したクマが暴れ周辺住民に危害を加える可能性もある、という多くの困難を乗り越えなければクマに麻酔銃を撃つことはできません。

また現場(特に街中)では銃が使えず、麻酔を仕込んだ吹き矢が使われることもあります。麻酔は骨や皮膚の固い部分を避けた柔らかい部位(太ももなど)に撃ち込まなければなりませんが、激しく動き回る動物の特定の部分を狙うことは簡単なことではありません。私も実際に吹き矢を吹いたことがありますが、的に当てることすら大変でした。
クマの命を奪わないために私たちにできる最善の策は、クマと私たち人間が距離を取り、接触する場面を減らすことです。クマと適切に関わり、猟銃も麻酔銃も使わず、人とクマがお互いに平和に暮らせる環境を作る方法を考えていきたいですね。

なお今回の漫画でも活躍した、あらゆることを筋肉で解決する青い人「青なんとかさんと赤西さん」シリーズはニコニコ静画で連載中です。LINEスタンプも発売中なので、筋肉でいろいろと解決したい方はのぞいてみると良いかもしれません。
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画像提供:ねんまつたろう(@KITASAN1231)さん
(三日月 影狼)


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