「動仕」って何なのか、動仕会社に聞いてきました。
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――こうした動仕会社は中国では多いのでしょうか?
浅沼 たくさんありますよ。中国には無錫市という地域があり、そこに日本のアニメに何十年も携わっているような会社がたくさん集まっていて、小さな動仕会社も合わせると数百社にもなります。そういう意味ではreboot Chinaも珍しい業態ではないと思います。



――人材発掘はどのように?
浅沼 reboot Chinaの社長が現地で募集をかけたり、大学や美大でスカウトしたりといろいろです。中国では作業者が単価の良い会社に動いたりもしますし、そこは日本より競争が激しいくらいです。
うちの場合は中国から上がってきた内容を日本でもしっかりチェックして、現地スタッフへのフィードバックにも力を入れています。うまいアニメーターはどんどん褒めますし、逆に上がりの内容があまりにも悪い人は肩をたたく場合もあります。
クレジットに個人名を載せることでモチベーションを上げたり。単なる流れ作業ではなく、自分が何の仕事をしているのかイメージを持ってもらいたいんです。今はコロナで行けないですが、数カ月に1回は中国でミーティングを開いたりもしていました。
――今はネットのやりとりが中心?
浅沼 はい。上がりはすぐにデータでチェックできるので、国内から添削を入れて、どんどん戻します。実際に喋る場合もオンラインで会議をしています。
――もともと仕事を海外に多く依頼してきた理由として、「安価だから」というのがあるのでしょうか?
浅沼 それもありますが、近年は中国や韓国での単価も上がってきていて、国内とさほど変わらなくなってきました。

アニメーターを諦めた人の中にすごい才能が眠っているかもしれない
――最後に、今後の目標をお聞かせください。
浅沼 才能というのは、量を生まないと生まれてこないものだと思っています。天才がピンポイントに現れるかといったら、現れない。今は全然関係ない業種で働いている人のほうが、実はすごい才能を秘めているかもしれない。
――それがあの求人票にもつながっていると。
浅沼 そうですね。そういう意味では若い学生だけでなく、シニア層にだって可能性はあります。アニメーターを金銭的理由で諦めて全然違う仕事を選びました、っていう人たちにもチャンスを与えられればと思うんです。『rebootは諦めかけた夢のつづきを応援できる会社でありたい』と思っております。
もちろん、先ほど言ったように最初の数年間だけ修行として弊社に身をおく人もいると思います。われわれが求めているのは、うちのカテゴリーの中でしっかり技術を身に付けて、雇用期間中はそれで貢献してくれる人。なのでそれで良いんです。でも、きっと中にはうちのやり方に共感して、そのまま残ってくれる人もいると信じています。
そこで残ってくれた人を、動画職人のような、ひたすら動画に対して誇りやプライドを持ってやれる人に育てていきたいですね。あるいはそこから作監、総作監、キャラクターデザインみたいな天才が生まれたら、それはそれで大成功です。
そうした人たちが年齢を重ねて、例えばお子さんが生まれても戻って来られる環境を整えていくことが、行く行くはクオリティーの担保につながると思っています。