自然の中にひっそりと建つ神社と不思議な水生生物が表現された、神秘的な世界観のジオラマが「心惹かれる」「少し怖いけど美しい」と話題になっています。

見ていてゾクゾクするような怖くも美しい世界観
木々に囲まれたひと気のない神社と、レジンで表現された海。そこに威厳のある巨大な魚のような生き物が存在することで、作品の背景にある物語を色々と想像させます。未知の生物には恐怖を覚えますが、同時にそれは神の使いのようでもあり、さらに見る角度によっても印象が変わるのが面白いジオラマとなっています。

神社、力強い自然、海、大魚などなど……見所がたくさん!
作者は、Thalasso hobbyer/たらそほびや(@THobbyer)さん。「海洋恐怖症(海や川などに異常な恐怖を感じる症状)」を意味する「thalassophobia」をもじって付けたというその名前の通り、“海洋恐怖症”をテーマに作品を制作しています。
設計図もなくイチから制作しており、使っている素材はスチレンボードや木材などさまざま。YouTubeチャンネルで公開中の動画では制作過程が見られ、一つ一つのパーツを作っていく繊細な作業とアイデアに驚かされます。


スチレンボードから屋根を作っています(屋根だけで3日かかったのだとか)


木材(バルサ材)から神社の床部分を制作


断熱材として利用されるスタイロフォームから崖を制作

着色作業は何度も時間をかけて丁寧に

どんどん雰囲気が出てくる様子にドキドキします
気になる“大魚”のデザインは、「神社を守る神の使い」という設定から生まれた“ヨロイ武者”のイメージを元に、手を動かしながら考えて出来上がったのだとか。なお、針金をアルミホイルで巻いた骨組みに、粘土で肉付けして形にしています。レジン封入前の姿もかっこいい!

いろいろ考えながら作っているのがわかります

手間のかかる作業も

レジンを封入する前提だからか、ハッキリとした色使いで、それもまたかっこよかったり

位置をどうやって固定しているのかは動画で確認できます
制作動画では他にも、電源ケーブルの中身を着色・装飾して木々を作る方法や、自然な地面が出来るまでの過程、レジンを流し込む様子などを見ることができ、奥深いジオラマおよびレジンアートの魅力を知ることができます。


電源ケーブルの中身を何度もねじってできたのは……?


大きな木々が完成! 制作過程を細かく見せてくれるので面白いです

細かな草花を植えるシーン

ジオラマ制作で使われる「大波小波」で水面を表現
完成した作品のタイトルは「忘却の社と守護者のジオラマ」。制作期間は約1カ月で、Thalasso hobbyerさんによると「我が家の裏山にある神社をモチーフにしています」とのこと。また2020年6月に公開された同作は現時点での代表作であり、「夢の中で作って、起きたら枕元に置いてあった、みたいにフワッとできた」と紹介しています。これがいわゆる“降りてきた”というやつなのか……!

人々に忘れ去られた社

この場所をいつまでも守護する神の使い

想像をかき立てられる作品です
Thalasso hobbyerさんはオリジナル作品以外に、映画やゲームのファンアート作品も制作。そして、それをきっかけに映画の原作者と友だちになったり、ときには米ゲームメーカー「Unknown Worlds」(人気ゲーム「Subnautica(サブノーティカ)」のデベロッパー)から制作依頼がきたりと、いろいろなうれしい交流が生まれているようです。
Unknown Worldsの公式Twitter
作品はYouTubeチャンネルをメインに、TwitterとInstagramでも公開中。ちなみに次回作は近日公開予定とのことです。
次回作が気になる方はTwitterアカウントをフォローして続報を待ちましょう!
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