1人暮らしの鉄則として「知らない人がインターフォンを鳴らしても無視する」というものがあります。宅配便やデリバリーが来ると知っているならともかく、身に覚えのない時に来訪する人物は、そのほとんどが招かれざる客であるためです。
今回ご紹介する作品では、扉を隔てた向こう側に立つ「モノ」が引き起こした怪異かとおもいきや……思いもよらぬ結末が待ち受けています。作者は漫画家の柏木大樹(@kasiwagidaiki)さん。Twitterに投稿したところ、「まさかの展開で面白かったです!」「どこか現実臭さを感じてしまう表現」と、2000「いいね」を超える人気になりました。

一人暮らしの男性の部屋に、インターフォンの音が鳴り響きます。ドアスコープを覗いたそこにいたのは、見たこともない女性でした。宗教の勧誘やセールスが目的だとしたら対応するのも面倒だと、居留守を使う男性でしたが……その女性は時間をおいて何度も何度も、インターフォンを押してはそこに立っているのでした。




深夜の2時、またもインターフォンが鳴らされます。ドアの向こう側にはやはり、同じ女性が立っていました。「ヤバい人に目をつけられた」と、男性は助けを求めようとするのですが……持っていたはずの携帯がなくなり、PCの電源は入らず、その間にもインターフォンが何度も何度も鳴り響きます。
それから数日がたちましたが、男性はどうやっても助けが呼べません。女性は相変わらずそこにいて、定期的にインターフォンを鳴らしています。男性は無視を決め込んでいたのですが、どういうわけか「ドアを開けて応対しなければならない」と考えるようになっていました。




男性が覚悟を決めてドアを開けると、作中の視点が女性へと移ります。実は部屋の中の男性が「物件に居着いた幽霊」……怪異そのもので、女性はそれを祓うために雇われた霊能力者だったのです。男性は光の玉になり、仕掛けられた術式によってあの世へ向かったのでしょう。女性は一言「お疲れさま」と見送りました。
女性が語るところによれば、この手法は「強力な霊能力者でなくとも、やり方さえ分かっていれば穏便に事は済む。根気はいるがちょろい仕事」とのこと。彼女は食い扶持を稼ぐため、今日も愚痴を吐きながら「憑いている物件」を探し、不動産屋へ営業をかけるのでした。
作者の柏木さんはpixivFANBOXとFantiaにて、毎月15日に限定公開の漫画を更新、さらに月末には全員公開の漫画を定期更新中しています。
作品提供:柏木大樹(@kasiwagidaiki)さん
記事:たけしな竜美(@t23_tksn)
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