2020年3月、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)の流行が原因で、多くの留学プログラムが中止になり、緊急帰国を余儀なくされた学生が続々と日本に帰ってきました。
かくいう私もその1人。帰国直後は、念願の留学がこんな形で終わってしまったことがショックで、なかなか筆が進まなかったのですが、ようやく当時を振り返ることができるようになってきました。
この連載では、マンガと文章でコロナ流行当初の雰囲気や状況の流れをお伝えします。
書いた人:SONO
1995年生まれ。漫画家。
キリスト教、歴史を題材にした漫画を執筆している。著作に『教派擬人化漫画 ピューリたん』(キリスト新聞社)がある。
Twitter:@0164288
コロナが広がる中、フランスでは……?

軽く自己紹介をしておくと、私は都内の大学に通う文系の大学院生(兼・漫画家)です。交換留学生としてフランス・リヨンに、2019年9月から1年間の留学を予定して渡航しました。目的は学位ではなく語学力アップと現地調査、文献の入手だったので、大学の授業はほどほどに、語学学校に並行して通うなどして、苦しいながらも充実した留学生活を送っていました。

さて、クリスマス(ノエル)の大型休暇も終わり、1月半ばごろからコロナの話題が出始めたと記憶しています。この頃はまだコロナ=中国、武漢のイメージが強く、ウイルスの脅威よりもそれにまつわる情報の隠蔽(いんぺい)など、中国政府への不信感の方が語られていた印象です。
日本にもウイルスは到達しはじめていましたが、どうしても「ダイヤモンドプリンセス号」のインパクトが強く、日本人留学生の間でもまだまだ深刻に捉えられてはいませんでした。韓国出身の友人に話を聞くと、中国と地続きだからか、もっと緊迫感があったようです。
コロナとアジア人差別

実はこの頃、コロナといえば「アジア人差別」の文脈上の方が深刻でした。特に中国人に対する差別は激しく、過酷なものだったようです。さらにニューヨークで深夜、マスクをしていたアジア人女性が傘で叩かれる事件が起こり、ウイルスは怖いけどマスクをするのも怖い、という状況にありました。
ただ、そもそも欧米ではマスク=感染症の重病人、医療従事者のためのものという基準があり、予防のために着用する習慣がありません。コロナ流行の初期には、フランス政府のWebサイトでもマスク着用の必要はないと記載されていました。この時点のフランスでは、予防のためにマスクをしないのがむしろ“常識”だったのです。
少し不安な情勢ではありましたが、現地のほとんどの人々は親切で、私個人は不快な目に遭うことはありませんでした。今思うと、市民プールのような場所ですらフレンドリーに話しかけてくれる人がいたのは、差別にならないよう配慮して、敵意がないことを態度で示してくれていたのかなと思います。
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