凄惨な結末もほのぼのした展開も同時に想像できる作品です。
口裂け女、ひきこさん、カシマレイコなどに代表される、現代になり生まれた新しい妖怪たち。これらの多くは「人々を恐怖させるために作られた」背景を持ち、「人間へ理不尽に害をなすものが多い」という特徴があります。古来伝わる妖怪とは生まれ方からして異なる、いわば“現代妖怪”とでも呼ぶべき存在です。
今回ご紹介する作品には、まさに人間へ理不尽に害をなす“現代妖怪”が登場するのですが……なんとも判断が分かれるであろう、思わぬ結末が描かれています。漫画の作者はたんさんでんち(@tansan_roidy)さん。

帰宅途中の男子学生を待ち伏せていたのは、正体不明の「怪異」でした。見た目は少女のようですが……乱れた長い髪にボロボロのワンピース、足には何も履いておらず、手には包丁を持ち、その目と表情に狂気をはらんでいるという、どう見ても危険な存在です。



慌てて逃げ出した男子学生でしたが……「普通に逃げたら確実に殺される」と思い直し、とっさに機転を利かせます。寸前に怪異の口から出た「鬼ごっこ楽しかったね」という言葉を聞き、「だるまさんが転んだ!」と違う遊びを提案。その動きを止めたのです。



間一髪のところで助かった男子学生は「次はだるまさんが転んだをしよう。もっと俺と遊んでくれよ」と、さらに言葉を重ねます。怪異は「……あそびたいの?」とあっけにとられた様子。このような相手ははじめてだったのか、この怪異は男子学生をいたく気に入ってしまいます。そして男子学生からこの日から、少女の姿をした怪異と毎晩遊ぶハメになってしまったのでした。
怪異の少女に懐かれた愉快な物語とも取れますが、一方で男子学生は危険な怪異に「魅入られた」わけで、もしも期待を裏切ったときには……という想像もよぎります。果たして男子学生とこの怪異は、どのような結末へたどり着くのでしょうか。
(たけしな竜美)
作品提供:たんさんでんち(@tansan_roidy)さん