「なんで母は私のことをあんなにボコボコ殴れたんだろう」――。母親からの愛を感じられずに育ったという多喜ゆい(@ekakiyatakiyui)さん。自らも親になったことで、当時の母がどのような気持ちで自分に接していたか“想像できてしまった”漫画が共感を集めています。

気づいてしまった、残酷な現実
辛い記憶をたどって生みだした渾身の一作
子どもの頃、母親から些細(ささい)なことで怒鳴られたり、叩かれたりしていたゆいさん。思春期になり反抗するも「あんたなんかに親の気持ち分からへんやろ」と言われてしまいます。当時のゆいさんは、自分が母親の気持ちを分かってあげられれば、友達の家のように温かい家庭が訪れるのだろうかと、母の言葉に葛藤を募らせるのでした。

子どもを叩いてしまったことにショックを受けます
それから月日が流れ、自分も母になったゆいさんは、子育ての日々のなかで子どもを叩いてしまいます。泣く子どもを見たゆいさんの心は罪悪感と後悔、そして疑問でいっぱいに。愛する娘を叩くとこんなにつらい気持ちになるのに、どうして母は自分をボコボコ殴ることができたのだろう――。
逆に考えれば導き出されるのは悲しい結論です。「母が私を育ててくれたのは愛情ではなく義務感だった」。ゆいさんは涙をこぼすとともに、どこかつかえが取れたような表情を浮かべます。

愛されなかったけれど、愛情に満ちた家庭を作っていこう
母がかつて言っていたように、自分も親になったことで彼女の心情を理解できたゆいさん。しかしそこに期待していた優しい答えなど存在しなかった。ゆいさんは、自分がそうしてほしかったように、我が子を何度も抱きしめて、精いっぱいの愛を伝えるのでした。
この漫画を描くのに数日かかったというゆいさんは、「こんなに葛藤と戦いながら描いたの初めてだ」とコメントを添えてTwitterに投稿。同様の体験をした読者から「私もそうだった」「漫画の結末のように前を向きたい」と共感の声が上がりました。
普段のゆいさんは家族との日常を描いた漫画も多数投稿しています
作品提供:多喜ゆい(@ekakiyatakiyui)さん
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