国土交通省は3月26日、現実の都市をサイバー空間に再現する3D都市モデルのオープンデータ化事業「Project PLATEAU(プラトー)」にて、全国56都市の3D都市モデルの整備を完了したと発表しました。これに伴い公式Webサイトをリリース、東京都23区の3D都市モデルのオープンデータを公開しました。

(画像は公式サイトより引用)
3D都市モデルとは、その名の通り実世界の都市空間をデジタル上で再現した情報プラットフォームです。これまで各省庁や地方自治体に分散していた建物の情報や人口流動、環境やエネルギーのデータなどを、3次元化した地形データと統合することで、都市計画立案の高度化や都市活動のシミュレーションなどが可能になるとしています。
国土交通省は併せて一般社団法人社会基盤情報流通推進協議会と技術協力の協定を締結し、同協議会が運用する「G空間情報センター」にて3D都市モデルのオープンデータを公開しました。これにより、個人、企業、公共機関などがデータを利用してさまざまな取り組みに活用できるようになります。なお、現在公開されているオープンデータは東京都23区のみですが、2021年4月中に全国56都市の3D都市モデルのデータを順次オープン化する予定です。
これに対してTwitter上では「業務用はもちろん、東京を舞台にした3DゲームやVRアプリだって作れる。今後50以上の都市に拡大予定。これは未来が始まったかも!」「これは利用価値ありそう。無償公開というのがすごい」「来年度の卒制でいっぱいお世話になる人いそう」といった声も寄せられています。

(画像は公式サイトより引用)
同プロジェクトでは、「データはソリューションとして活用してこそ価値を持つ」として、地方公共団体、民間企業、大学・研究機関の橋渡しを行い、実際に3D都市モデルがどのように社会にインパクトをもたらすのか、実証実験を実施。「都市活動モニタリング」「防災」「まちづくり」の3つの社会問題解決と、3D都市モデルを活用した民間市場「新サービス」のカテゴリーを設定し、26件の実証実験結果を公式Webサイトに公開しています。
例えば、三越伊勢丹ホールディングスによる“バーチャル都市空間における「まちあるき・購買体験」”では被験者にアバターを用意し、バーチャルな新宿周辺を周遊、接客型ECなどを体験してもらい、そこから得られた結果を公表しています。実験結果だけでも、読むと止まらなくなりそう……!
「Project PLATEAU」はさらなる取り組みの深化を図り、2021年度からVer2.0にアップデート予定。今後はスマートシティーをはじめとするまちづくりのDX基盤になるべく、自動運転やロボット運送の分野や、街路空間・景観・標識の綿密な整備手法の確立などに取り組んでいくとしています。

(画像はプレスリリースより引用)
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