「木で水滴を彫りました」という写真が、Twitterに困惑をもたらしています。木の板に水を垂らしたように見えますが、全体が木から削り出された物なのです……理屈は分かるけど理解が追い付かない。


木彫りの水
何の変哲もない、水の垂れた板にしか見えないが、これ全部が木彫り

木彫りの水
拡大すれば水とは違うかも? と気付くかもしれないが、そもそも言われなければ疑いもしないレベル

 この精巧な「木彫りの水」を彫ったのは、木工家の福田亨(@TF_crafts)さん(関連記事)。1枚の板全体を1.5ミリほど掘り下げて、水滴の部分を浮き彫りにしています。


木彫りの水
制作過程を見ると、ようやく木だったのかと分かる

 つやつやに磨き上げられて、水滴部分は地の木目が透けているよう。元が同じ板なので、水滴の表面が下地と同じ木目なのは当然なのですが、それでも不思議に感じます。

 「ちょっと何言っているか分からない」「拡大しても本物の水にしか見えない」「そもそも木彫りで水滴を作る発想が異次元」と驚きを呼んだこの木彫り、実は台座として作られたもの。これから他の木彫りがのるまで、作品としては未完成だというのだから、なおのこと驚きです。まだ伸び代があるのか……。

福田さんは伝統工芸技法「木象嵌」を応用し、精巧な彫刻を生み出すアーティスト。今回の台座にも、どんなリアルな作品がのるのか楽しみ

画像提供:福田亨(@TF_crafts)さん