メジャーリーグのロサンゼルス・エンゼルス大谷翔平選手は7月2日(日本時間3日)、ボルティモア・オリオールズ戦に「2番・指名打者」で先発出場。3回と4回で2打席連続本塁打を放ち、さらに9回裏には二塁から激走してサヨナラのホームを踏むなど、この日はパワーとスピードで観客を沸かせました。

6月30日(日本時間7月1日)のニューヨーク・ヤンキース戦では「1番・投手」のリアル二刀流として先発した大谷選手。制球の乱れから失点を重ね、1回持たずに降板。7月1日(日本時間2日)のヤンキース戦は雨天中止で休養を挟み、本拠地のエンゼル・スタジアム・オブ・アナハイムに戻ってオリオールズ戦に挑み、先発投手として降板後でも、打撃は6月後半からの好調を維持していました。

第2打席はオリオールズ先発キーガン・エイキン投手が投じた、インコース高めのストレートを完璧に捉えてライトスタンドへ放り込むと、第3打席は2番手のディロン・テイト投手が投じた速球を逆らわずにレフトスタンドへ。松井秀喜さんの日本人最多31本塁打まであと1本と迫る30号逆転2ラン本塁打を放ち、2打席連続のアーチとなりました。

9回裏の第5打席で、この日3本目の本塁打が期待された大谷選手でしたが、今度は走塁でファンを魅了します。交代したばかりのポール・フライ投手から四球を選び一塁へ出塁すると、すかさず二塁へ盗塁に成功。4番ジャレド・ウォルシュ選手の安打で、二塁から大谷選手が長い足を伸ばして生還し、エンゼルスはサヨナラ勝ちを収めました。
30日のヤンキース戦で、先発の役割を果たすことができずにマウンドを降りていた大谷選手。しかし、ウォルシュ選手の20号満塁本塁打などでチームは逆転勝利を遂げていました。チームの勝利に助けられていた大谷選手は、試合後のインタビューで「何とか取り返したい気持ちで臨みました。ファンのおかげで気分よく打席に入れました」とファンへ感謝のスピーチをします。
開幕から81試合で「30本塁打と10盗塁」に到達したのは、1998年のサミー・ソーサ(当時シカゴ・カブス)、2009年のアルバート・プホルス(当時セントルイス・カージナルス、現ロサンゼルス・ドジャース)以来3人目。ソーサとプポルスはともに同年のMVPに輝いています。
この活躍にネットでは「ドカベンの甲子園決勝のサヨナラゲームみたいな大谷さんのホームイン」と往年の野球漫画を引きあいに出す声もあれば、「何この展開、漫画でもここまでないよ」と漫画の世界を超えるスリリングな幕切れにファンも酔いしれていました。
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