大阪・飛田新地の外れに立つ料亭「鯛よし百番」の修復のためのクラウドファンディングが実施されています。

「小さな文化遺産」を守るMICRO HERITAGEによる鯛よし百番、保存修復プロジェクト

夜の「鯛よし百番」
現在は料亭である「鯛よし百番」は、大正時代に建てられた遊郭で、近代和風建築として、国の登録有形文化財に指定されています。築100年以上の建物は老朽化がひどく、修復が必要な状態です。多額の費用が必要なため修復の計画が進まず、さらにCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)の影響で「鯛よし百番」は料亭としての売上が激減。修復費用を全てまかなうことが難しくなってしまいました。

戦後、遊郭から料亭に。桃山文化をテーマとした絢爛豪華な内装も取り入れられました

日光東照宮を模した日光の間。眠り猫がいます

「折り上げ格天井」が見事な「由良の間」

船モチーフが印象的な「喜多八の間」
そこで、クラウドファンディングサービス「READYFOR」に支援を募ることに。プロジェクト名は「『鯛よし百番』修復へ。飛田百番の魅力、歴史を未来につなぐために」、期間は8月10日、目標金額は1500万円。目標金額に到達しないと支援金が受け取れない「All or Nothing」方式です。

「顔見世の間」と呼ばれる部屋。襖が傷んでいます

欄干の塗装を塗りなおし、塩ビの雨どいを和風の建築に合うものに変える必要があります

第一目標の1500万円では、建物の基礎部分、雨漏りなどの構造修復、目立つ部分の修復からスタート。集まった金額に応じてできる限り修復を進めるとのこと
リターンには、「建築見学ツアー」(5万円)や、「撮影会」(5万円)などが用意されています。普段は食事の予約をしないと入れなかったり、夜に限られた部屋でしか撮影が許可されていなかったりする「鯛よし百番」では、めったにないチャンス。「撮影会」では、1チケットで3人、同時に5組15人まで利用できます。

明るい自然光の中で撮影できる、レアな機会
修復に協力する「MICRO HERITAGE」は、個人所有の文化財、文化財未満の建築物をさまざまな形で保存していくプロジェクト。「鯛よし百番」の建物内部をVR映像で公開しており、建物内部を実際に歩いているような感覚を体験できます。

現在、限定版を公開中
歴史ある建築物であるとともに、遊郭の歴史を今に伝える「鯛よし百番」。修復と保存で次の世代に受け継いでいけたらいいですね。
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