海苔の佃煮などの瓶詰商品を「最後まで残さず使い切りたい……」というユーザーからの意見に応える“瓶の進化”が、Twitterで「すごい企業努力」「素晴らしい」と注目を集めています。
1926年創業の老舗の食品メーカー「磯じまん」は、上記の意見を解決するため、長年使われてきたガラスの瓶の設計から見直し、瓶の内側をカーブがないストレート型容器に。これにより中身が取り出しやすくなり、「佃煮が少し瓶に残る…」という問題を解決しています。
この一見地味に見えて大きな進化に、ネットでは「有り難い」「形状を変えるってことは設計、金型含めて変えるわけだから大層なコストがかかるはず」「偉すぎでしょ」と称賛する声が上がり、「思わず洗って再利用したくなるデザイン」と人気を呼んでいます。

ユーザーからの意見に応える形で瓶をストレートに(公式オンラインショップの商品ページより)
同メーカーに“ストレート瓶”について伺うと、開発にあたって、製造工程上で瓶と瓶が当たった時に割れたりしてしまう問題を解決するのが苦労したとのこと。一般的な“くびれがある瓶”が流通したのも、損傷によってキャップがしまらなくなったりするのを防ぐため、少し口部分を狭くしなければならなかった結果のようです。

ストレート瓶では「接触面(ビード)の厚さなどを変えたりといった試行錯誤を行いました」とのことで、瓶の外側に出っ張りをつけることで、口部分の衝突を防ぐことが可能に。なお、その試行錯誤は約2年間かけて行われ、現在の形となりました。

新旧「生のり」瓶パッケージ(左:旧型の瓶/右:新ストレート瓶)
ストレート瓶が採用されているのは、生の青さのりを使った海苔佃煮「生のり」と、紀州産の南高梅干しのペーストに国産かつお節と紫蘇を和えた加工品「山海ぶし」の2商品。 なお、他の「いそマルシェ」や「のりのり」などでは、カーブの角度がゆるく、取り出しやすい瓶を使用した商品もあります。

補足として、同社の社名にもなっている代表商品の海苔佃煮「磯じまん」の瓶は、触って商品が特定できる“盲牌商品”としてデザインされています。独特の下側がすぼんだ形状で、オリジナルの瓶を90年以上使用しており、こちらはこちらでこだわりの瓶となっています。

中身も瓶も伝統を守り続けている海苔佃煮「磯じまん」(公式Instagramより)
今回の反響についてメーカーは、「2016年にストレート瓶を使用した商品を販売した際に、雑誌や新聞に広告を出したりもしたのですが、これほど大きな反響はなかったので、SNSの影響力にビックリしております」とかなり驚いた様子。「遅ればせながら今年から公式SNSを立ち上げたのですが、Twitterで大きく取り上げていただいたおかげで、公式の方のフォローをしていただいた方もいらっしゃって、担当者が大変喜んでおります」。
磯じまんは公式Twitter(@isojiman_co_jp)と公式Instagram(@isojiman.official)で、それぞれ商品やオススメの食べ方などを紹介しています。また近くのスーパーに置いていない場合などには、公式オンラインショップ「美味じまん」から購入できますよ。


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