JR新宿駅東口の街頭ビジョン「クロス新宿ビジョン」にときどき映る巨大ネコは、7月1日のプレ稼働から登場するなり大人気(関連記事)。ネットの一部では「そもそも、なぜネコなのか? 運営がネコの魅力にやられたのか?」などと推測されていたのですが、公式Twitterがおおむね事実だと認めてしまいました。マジかよ!

クロス新宿ビジョンは、縦8.16メートル×横18.96メートルのサイネージを採用。名物の巨大ネコは、その湾曲形状を利用した、立体的に見える錯視映像で、広告の合間に現れては通行人に話しかけるなど、愛くるしい姿を見せています。

同じ形式の映像は既に海外の街頭ビジョンでも流れていましたが、内容の多くは大波や宇宙といった壮大な風景。そこであえてネコを選んだ背景には、「ネコチャン……」「おっきいネコチャン……ファンタスティック……採用……」といった会議があったのではと想像するツイートが拡散されていました。
これに対して、公式は「だいたいそんな感じでした!」とまさかの反応。実際にどんな経緯があったのか、編集部は運営社のクロススペースに聞きました。
―― ネコの映像を選んだ理由を教えてください。
クロススペース:こちらの大型街頭ビジョンを設置した、「クロス新宿ビル」が最近完成しました。それに合わせて、コロナ禍でも皆さんが明るくなるような、マスコットキャラクターを作りたいと思い立ったのがきっかけです。
ほかの動物のアイデアもありましたが、渋谷のハチ公、池袋のいけふくろう以上に愛されるのは何だろうと考えたとき、老若男女問わず人気の「ネコだ!」と、決まりました。
―― 映像製作にあたってこだわった部分はありますか。
クロススペース:ネコの動きを骨格レベルから分析し、フルCGで再現したところです。作業はとても細かく、1秒1秒を作るのがとても大変で、どんな動きをつけるかといった話し合いを含めて、年初から5カ月ほどかかりました。時間的にもあまり長いものを作るわけにはいかないので、限られた時間の中でどれだけ楽しんでもらえるアクションを詰め込むかという点に苦労しましたね。
―― SNSの反響についての感想は。
クロススペース:ここまでの反響は想像以上でしたね。もともと「みんなに愛されるマスコットキャラを作ろう」くらいの企画だったのですが、これだけ大勢のかたがたに観ていただけて、本当にありがたいことだと思っています。
大人気の巨大ネコですが、現状では1回の登場時間は15秒程度なのがネック。スマホでの撮影が間に合わず、広場が次回の放映を待つ観覧者で混み合う現象も確認されています。

そこで運営は当面の間、ネコの露出回数を当初の計画よりも大幅に増やし、放映時間をTwitterで告知するといった、撮影待ち観覧者数抑制対策を決定。今後も現在制作中の「無重力編」をより長い映像としたり、各種ネコ動画をまとめて長尺にしたりと、観覧者が見やすいよう対策を打っていくとのことです。
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