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「○○が現れた家には死者が出る」。これは世界的に見られる怪異の伝承で、日本にもいくつか「妖怪」として伝承が残されています。
今回ご紹介する作品は、漫画作品『百合の園にも蟲はいる』の原作を手掛ける漫画家の羽流木はない(@warugi871)さんが、一族に伝わる「死の予兆」について、お父さんから聞いた話を漫画にしたもの。

羽流木さんが「うちの一族は、死人が出る前にインターフォンが鳴る」という、お父さんのお話をツイートしたところ、お父さんから「Twitterに載せるならもっと詳しく話すよ」と連絡があったそうです。
ここからはお父さんの語ったお話。お父さんがまだ小さかったころ、親戚の家で「インターフォンが鳴ったので玄関を開けるが、誰かがそこにいた気配がまったくない」という出来事が何度か続いたといいます。




それが起きてから数週間後、その家に住む叔父が亡くなりました。インターフォンが鳴った時間とほぼ同じ時刻に亡くなったこともあり、不気味な出来事だと親族間で話題になり、さらには同じような体験談が複数あがってきたというのです。
時は流れ、お父さんが小学4年生になったある日。インターフォンが鳴り、応対のため玄関のドアを開けたお父さんでしたが……そこには誰もいませんでした。そして数日後、また同じようにインターフォンが鳴り……お父さんはその音を聞いて、とても嫌な予感がしたといいます。




そこでお父さんは、一番短時間で玄関の様子が見られる場所へ行き、誰かがいないかとのぞき込むのですが……そこには誰もおらず、玄関のドアを開けても同じことでした。
その後、同居していた曾祖母の具合が悪くなり、1カ月ほど寝込んだ末に亡くなります。インターフォンを鳴らされたこと、曾祖母の死、お父さんの遭遇した不思議な出来事との関係は分かりませんが、その頃から裕福だった家の財政事情が少しずつ悪くなっていき、住んでいた家を手放さざるを得なくなったそうです。




ここまでが「一族に伝わる死の予兆」の顛末ですが、お父さんにはもうひとつ不思議な出来事が起きていたといいます。それはインターフォンが鳴らされていた時期に、変わり者として知られるクラスメイトの「犬塚くん」が、突然家へやってきたことです。
犬塚くんは一度も立ち入ったことがない裏庭へと向かい、そこにあった井戸の前に立ち、しばらく眺めていたのですが……やがて「井戸を涸らしたせいだ、諦めろ」とお父さんに告げたといいます。
一族の何人もが体験したインターフォンによる死の予兆、その後本当に曾祖母が亡くなったこと、葬儀の日にすれ違った曾祖母の姿、裏庭の涸れた井戸、犬塚くんの言葉、裕福だった家が傾き家を手放すハメになったこと……。
すべての出来事に因果関係があるのかないのか、何が本当で何が間違っているのかは分かりません。ただひとつ間違いないのは、お父さんがこれら不思議な出来事を「実際に体験した」ということだけです。
作品提供:羽流木はない(@warugi871)さん
記事:たけしな竜美(@t23_tksn)
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