規律が厳しい軍隊でも時には人情が重んじられることもある――台湾のイラストレーター、A士(エース)さんが実体験をつづった漫画が注目を集めています。

仲間の心のピンチに寄り添う、人間らしい部分も
A士さんを助けるために、何人もの兵士が動きます
A士さんが台湾の国境近くの島、金門島に配属され間もないころのこと。実家から電話があり、悲しい知らせが伝えられました。

衝撃的な内容に絶句→涙腺崩壊
電話を取り次いだ兵士から「家から何かご用事?」と聞かれたとたん、A士さんの涙腺が崩壊。仲間の兵士に連れられ、補導長(現代の台湾の軍隊でカウンセラー的な役割を担う)に事情を話します。

これはただ事ではない! 上官に報告します

両親が共働きだったA士さん。子どもの頃、よく世話をしてくれたのは祖父母だったのです
補導長から政治作戦トップの上校主任、指揮官から金門防衛部司令官へと軍の上層に報告。A士さんに帰省休みを取らせたいという指揮官たちの要望に、司令官ははじめ「帰省は(配属されて)3カ月過ぎてからという規定」と首を縦に振りませんでした。しかし、子どものころから育ててくれた祖父のお葬式のためという事情を知ると、「それを早く言え」と一転。

A士さんの祖父は94才で他界。長生きだからか、葬儀は悲しいというより「めでたいムード」だったそう
指令官が人事部門に命令を出してくれて、A士さんは休暇の許可を得て実家に帰り、祖父の葬儀に参列できました。祖父の死は悲しかったけれど、軍隊のあたたかな一面が感じられた体験だとしています。
漫画には「いい話ですね!」「朝から涙腺崩壊です」「軍隊といえど、人である以上は人情もある」など、感動の声が多数寄せられました。また、自衛隊に所属していた人からも、家族が亡くなった際、演習終了間近や海外派遣直前など隊を離れにくい時期にも関わらず、気遣ってもらったというコメントもありました。
台湾の高雄在住のA士さんは同人サークル「景美仙姫巌」で活動しながら、金門島で衛生兵として兵役に就いていた頃(2006年あたり)の軍隊での生活を漫画に描き、Twitterやpixivに投稿しています。
同じ部隊の新兵が司令官にとんでもない言動を!?
作品提供:A士@高雄警備府(@kitsunefukka)さん

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