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今回ご紹介する作品は、丑の刻参りをテーマとした儚い雰囲気ただようホラー作品。作者はたね(@burukaniro_118)さんです。

日本に古来から伝わる呪詛の儀式「丑の刻参り」。その原型は奈良時代に成立した日本の歴史書『日本書紀』はおろか、日本考古学の遺物にまで遡れるほどです。このように伝統的な呪術であるため、丑の刻参りに臨むにあたっては、身に付けるべきものや時間、方法など、野蛮な呪いの儀式でありながら非常に細かく礼儀作法が定まっている、という特徴があります。
漫画は、深夜の街を歩く小学生の2人の少年のシーンから始まります。家庭事情が複雑らしい慎くんが落ち込んでいると、佐倉くんは彼を連れてこっそりと遊びに行くのが習慣になっているそうで、この日も2人は家を抜け出し、深夜の住宅街を歩き回っていました。
その日は肝試しをすることになり、2人は近くの寂れた神社へ向かうのですが……そこで2人は「見てはいけないモノ」に遭遇するのです。


それは「白装束と異様な外見で、長い髪を振り乱し、呪いの言葉を吐きかけながら、一心不乱に藁人形へ釘を打ち込んでいる」……丑の刻参りをしている女性でした。2人の存在に気が付いた女性は、おそらく目撃者を始末しようと追いかけてくるのですが……2人はなんとか逃げ延びたのでした。


その翌日。いつも通り小学校へ登校した2人でしたが……異変は唐突に起こります。佐倉くんは「窓の外を落ちていく、おそらく昨日見た女性の影」を目撃し、それが見えなかった慎くんは「今朝、自宅の近所に警察がいっぱい来ていて……あの女性が死んでいたのかもしれない」と言うのです。


もし女性が死んでいたとしたら、どうして呪いを掛けていた人物ではなく、たまたま見てしまっただけの自分の前に現れるのか。佐倉くんは取り乱しますが、尋常ではない慎くんの様子を見て落ち着きを取り戻します。
慎くんは語ります。あの日あんな場所へ行かなければよかった、佐倉は自分のとばっちりを受けたのだ、あの女性には心当たりがある、あいつが呪い殺したかったのは自分なんだ……と。そしてふと窓際へ立った慎くんの後ろに突如、あの女性の影が落ちてくるのです。そして……。
慎くんはこの後どうなってしまうのか、「あの女の心当たり」とは。女性はなぜ自分を呪っていたと思ったのか、佐倉くんは本当に巻き込まれただけなのか……。気になる結末は、漫画を読み進めてお確かめください。
なお、作者のたねさんはザネリ名義で『悪役令嬢なので喜んで仕返しいたします』などの作品を手掛けています。
作品提供:たね(@burukaniro_118)さん
記事:たけしな竜美(@t23_tksn)
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