「少女革命ウテナ」「輪るピングドラム」などで知られる幾原邦彦監督が3月31日、“ボンソワール幾原”に改名したことを報告しました。
※文末に幾原監督の謝罪について追記しています

幾原監督のツイート(※現在は削除済み)
幾原さんは30日夜に、「突然ですが改名します。色々考えましたが自分に正直に生きることにしました」と告知。発表時刻として予告されていた31日0時に、ファンが固唾を飲んで見守る中で新名称を披露しました。
「ボンソワール(bonsoir)」とはフランス語で「こんばんは」の意。作中での奇抜なネーミングを彷彿(ほうふつ)とさせる、ある意味“らしさ”の光る名前ですが、意表を付いた発表に混乱するファンが多発。幾原監督が旧名に由来する「イクニ」の愛称でも親しまれていたことから、今後どのような愛称で呼ぶべきかと悩むファンの姿も見受けられました。
また、思わせぶりな前フリがあったことや、3月31日が「国際トランスジェンダー可視化の日」であることなどから、発表内容を「冗談」だと受け取った人の中には、幾原監督の振る舞いをクィア・ベイティング(※)的だと批判する声も見られました。
(※自身がLGBTQ当事者であるかのようにほのめかしたりして、利益を得ようとする行為)
ただし、新名称は中性的なネーミングでもあり、発表前に「この発表によって、色々なものを失うことになると思いますが覚悟の上です。制作中の作品関係者各位にも迷惑をかけてしまうことになり、そこは葛藤したのですが、偽りなく生きることを選びます」と並々ならぬ覚悟を伺わせていたことを踏まえると、現時点で断定的なことは言いづらいようにも思えます。
追記(4月2日22時25分)
幾原さんは4月2日、3月31日に投稿した「改名」ツイートを巡る批判を受けて、自身のTwitterアカウント上で謝罪しました。

幾原さんは3月31日17時ごろ、“ボンソワール幾原”名義で参加するCDアルバムを発表。これにより、当初挙がっていた「クィア・ベイティング的である」との指摘に加え、「PR目的だったのか」との批判も集める事態となっていました。
幾原さんは4月2日の謝罪で、「告知ツィートのタイミングに、思慮が足らず、誤解を招き、多くの方を動揺させ、また心を傷つけてしまったことを後になり知りました。そうなることを想像できませんでした。取り返しのつかないことですが、本当に申し訳ありませんでした」と謝罪。
告知のタイミングはアルバム情報の解禁日に合わせたという以上の意図はなかったとした上で、問題視された告知ツイートの文言もアルバムの収録曲「君の青春は輝いているか」に含まれる「本当の自分を隠してはいないか」との歌詞を引用したものだったことを明かしました。
※追記にあたり記事内の表現を一部修正しました
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