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映画「シン・ウルトラマン」が公開から3日間で観客動員数64万人、興行収入9.9億円を突破するなど好調な出足ですが、そんな中、同作の主題歌である米津玄師さんの「M八七」にも注目が集まっています。
現在Twitter上で「米津玄師 解釈」などのワードで検索すると、「解釈で米津玄師に負けた」「米津玄師、化け物か?」「嫉妬心がわいてきた」など、楽曲のすばらしさをたたえつつ、米津さんの“強火”すぎるウルトラマン解釈に畏敬の念を送る1万リツイート前後の投稿がゴロゴロ出てきます。
確かに本編鑑賞後に「痛みを知る ただ一人であれ」なんてフレーズを目にした日には、その強度にひれ伏してしまいたくなるというもの。2016年の「シン・ゴジラ」公開後は『アオイホノオ』で知られる漫画家の島本和彦さんが「庵野……オレの負けだ……」とツイートし大きな話題となりましたが、今回は観客の側から米津さんに「負ける」ムーブメントが自然発生しているようです。
島本さんの2016年のツイート
これまでウルトラマンといえばM78星雲からやってきたことでおなじみでした。しかし初代「ウルトラマン」では企画段階において「M87」とされていたにもかかわらず、脚本印刷時に「M78」と誤記され、設定としてそのまま定着してしまったというのはファンの間では有名な裏話。

米津玄師さん本人が描いた「M八七」CDジャケット(画像はAmazon.co.jpより)
そんな逸話を想起させる曲名「M八七」は、「シン・ウルトラマン」の企画・脚本を担当した庵野秀明さんの発案。劇場で先行販売中で、今後書店販売も予定されている『シン・ウルトラマン デザインワークス』によれば、当初「M七八」として上がってきた曲名を「『M八七』で如何でしょうか」と庵野さんが提案し、米津さんが快諾して決まったのだそうです。
米津さんは同作パンフレットや各種インタビューにおいて、幼稚園の頃にウルトラマンが好きだったことを明かしつつ、先行作品との対話を通じ新たな作品を生み出していく「祝福を受けるべき者と与える者の連鎖」を楽曲に込めた、との趣旨のコメントを残しています。先行作品へのリスペクトという意味では、過去の特撮・アニメなどへの敬愛を隠さない庵野さんの創作スタイルとも重なって見えるエピソードです。
「M八七」は、映画同様ランキングで好発進。5月13日の配信開始から3日間で初週DL数3.7万ダウンロードを記録し、オリコン週間デジタルシングルランキングで第1位を獲得。5月18日に発売されたCDは一部特典付きのものがプレミア化しているほか、YouTubeで公開中のミュージックビデオは既に700万再生を突破しています。
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