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菊地秀行さんの小説『吸血鬼ハンターD』シリーズの主人公、“D”の衣装を26年がかりで完成させたコスプレイヤーが、Twitterで注目を集めています。天野喜孝さんが手がけた挿絵の世界を、すさまじいクオリティーで具現化!




『吸血鬼ハンターD』は、1983年の初巻以来今もなお続く、菊地秀行さんの代表作の1つ。このシリーズに長年魅せられてきたDakatsu(@Dakatsu)さんは1995年5月に“D”の衣装に着手し、苦心の末2021年に完成させたといいます。


製作に際しては、牛やサメ、ワニ、トカゲなど、多彩な革を使用。装飾品にもオニキスや銀、カンガルーレースなど、厳選した素材を惜しみなく投入しています。技術面もとことん追究しており、金属パーツを自家鋳造したり、左手の人面瘡(じんめんそう)を軟質素材で自作したり、妥協をみじんも感じさせません。
26年かかるのも当然と納得させられるクオリティーは、Twitterで「本物だ」と大好評。それもそのはず、Dakatsuさんのコスプレは「天野喜孝キャラクターコスプレコンテスト」で最高位の「天野喜孝賞」に輝き、天野喜孝さんから表彰されているのです。
菊地秀行さんからも称賛の言葉が
編集部はDakatsuさんを取材し、製作の経緯など詳細を聞きました。
―― 衣装作りを始めたきっかけは?
Dakatsuさん 私は幼少期から天野喜孝先生の描く吸血鬼ハンター“D”が好きで、画集を模写するなどして育ちました。ある時期にコスプレという趣味と出会い、ふと「“D”だけは妥協せずに作ってみたい」と思い、作り始めたのがきっかけです。
―― こだわったところや苦労したところについて教えてください。
Dakatsuさん 当初は素材加工の知識や技術も、道具もなかったので、それらをそろえるのに苦労しました。こだわったのは素材選びです。作り始めたころは、容易に手に入る合皮や木材を使って衣装や小道具を制作していたのですが、途中の経年劣化で耐久性に乏しいことを痛感し、「出来る限り本物の素材を使おう」と、本革や金属を使うようになりました。
―― 26年にも渡る製作期間で、特に時間がかかった部分は?
Dakatsuさん 衣装小道具全て、等しく時間がかかっています。自分的に満足して「もう手を加えるところはなくなったな?」と思っていたら、新刊のイラストで新たな装飾品が付いていたり、今まで見えなかった箇所が見えたりして、「ああ、ここはこういう表現だったのか……直したい!!」となっては作り直しを繰り返していたので。妄執に囚われていました……。
でも、その妄執からは、2014年には天野喜孝先生の前で、2015年に菊地秀行先生の前で“D”のコスプレをして、両先生からそれぞれお褒めの言葉をいただいたことで解放されました。その後はひたすら衣装や造形物の精度を上げ、2021年にようやく完成に至っています。
画像提供:Dakatsu(@Dakatsu)さん
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