2022年9月16日から順次発売となった「iPhone 14」シリーズでは、新たに「衝突検出」機能を利用できるようになりました。

衝突検出機能は、iPhoneが“激しい衝突事故”を検出した際に、対応するiPhoneやApple Watchが自動で緊急通報を行う機能です。
衝突事故を検出すると、画面上に緊急通報を行うかどうかの確認画面がまず表示され、画面操作や警報音への応答がなかった場合、通知の表示から20秒後に緊急通報番号に自動的に発信します。
なお日本のように緊急通報サービスの電話番号が複数用意されている国や地域の場合は、そのうちの1つの番号(例:119番)に自動で電話がかかります(参考:Appleのヘルプページ)。
衝突検出機能は最新バージョンのiOS/watchOSを搭載したiPhone 14/14 Plus/14 Pro/14 Pro Max、Apple Watch Series 8、Apple Watch SE(第2世代)、Apple Watch Ultraのみで利用できます。
【追記 2023/01/11 23:00】
衝突事故検出における自動通報機能の通報先について、記事公開後にAppleのヘルプページの内容が更新されたため、これにあわせて記事内容を修正しました。
詳細
本稿初出時(2022年9月)、Appleのヘルプページの記載にあわせて、本文に「緊急通報サービスの電話番号が複数用意されている国や地域の場合は自動通報が行われず、警察や消防・救急などの通報先を選択しなければ通報ができない場合があります」と記載していました。
記事公開後の2022年12月にAppleのヘルプページが更新され、従前の自動で通報が行われない例について「このような状況は稀」という説明とともに、緊急通報サービスの電話番号が複数ある場合は、そのうちの1つの番号に自動で発信するという説明が追記されました。
その後、記事内容について読者から筆者へご指摘をいただき、各ページの最新の記載状況をあらためて確認したうえで、記事本文を2023年1月現在の情報に更新しました。
Apple Watchシリーズですでに提供している「転倒検出」にも似ていますが、これは二輪車やバイクへの乗車中または歩行中の転倒を検知し、応答がない場合は救急の番号に自動通報する機能です。新たに登場した衝突検出は自動車乗車時の衝突を検知する機能で、具体的には「セダン、ミニバン、SUV、ピックアップトラック、その他の乗用車が絡む激しい衝突事故(正面衝突、側面衝突、追突、横転など)」を検知するよう設計した機能としています。
衝突を検知する仕組みはAppleのWebサイトによれば、速度や方向の急激な変化といった単純な要素だけでなく、エアバッグの動作による車内の気圧変化や衝突時の大きな音、過去の事故データや衝突実験データも利用しているとのことです。
iPhoneを投げたり転がしたりする程度の日常的(雑)な扱い方では衝突事故として検知しないようで、筆者も実際に何度もベッドなどに試しに投げてみましたが、検知されませんでした。

同様の機能についてGoogleのスマートフォン「Pixel」シリーズを見ると、2018年に登場した「Pixel 3」以降ですでに利用可能。2021年8月から日本国内で利用できるようになっています。
(大泉勝彦)
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