子どもの頃の100円と、大人になった今の100円。同じ額であるはずなのに、その価値には計り知れないほどの差がある気がします。
今回ご紹介する作品は、街に落ちている小銭を毎日のように拾い集める、2人の少年のお話なのですが……各々の目的の決定的な違い、その結末にやるせなさを覚えます。漫画家、的野アンジ(@matonotoma)さんによる『僕が死ぬだけの百物語』の一編です。

自販機の下にある小銭へ手を伸ばす少年でしたが、どうにも届きそうにない距離です。そこへ木の枝を持ったトモキくんがやってきて、器用に小銭を押し出します。ふたりは友達同士で、毎日のように街の各所にある自販機の下をのぞき込んでは、小銭を探し拾い集める仲間でもあるのでした。

2人が小銭を集めているのには、それぞれの理由がありました。トモキくんには「サッカーボールを買う」という目標があり、そのために小銭を拾い貯めています。一方で少年は「毎日の食事を買うため」に小銭を探しており、1円たりとも手元には残っていない、と言うのです。
お父さんは仕事で忙しく帰ってきておらず、そのため家の食べ物がなくなってしまい、小銭を拾い集めてなんとか食いつないでいる……。意外な理由に驚いたトモキくんは、少年を自分の家へ誘いますが、少年は「他人の家に迷惑をかけないよう言われている」と断ります。

この日は千円札を見つけるなど大漁で、どう山分けしようかと考えるトモキくんでしたが……少年は「今日の分は全部トモキくんがもらってほしい。自分がもらってもすぐになくなってしまうから」「サッカーボールを買ったらずっと残るよ。だからたまには僕にも貸してほしい」とトモキくんに提案します。

それを受けたトモキくんは「一緒に使うふたりのボールにしよう。来週には買って持ってくる」と伝え、ふたりは各々の自宅へと帰っていくのでした。
一週間後。サッカーボールを持ってきたトモキくんは、1週間ぶりに少年と再会します。ですが少年の家の前には、たくさんの花やお菓子の数々がたむけられており……。
いつものように自販機の下を探る少年。約束通り「ふたりのサッカーボール」を持ってきたトモキくん。果たして少年の身に何が起きたのか、気になる結末は漫画を読み進めてお確かめください。
このお話は3巻収録のエピソード。8月には4巻が発売されています
作品提供:的野アンジ(@matonotoma)さん
記事:たけしな竜美(@t23_tksn)
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