大阪府高槻市で市営バス運転手が出勤前に「蒸しパン」を食べたことが理由で、アルコールが検出されたとして処分された――。新聞各紙が報じて物議を醸したニュースを受け、アルコール検知器を手がける東海電子がSNS上で「飲酒以外での検知をなくすために、測定の15分前からは飲食しないでください」などと注意喚起しました。

画像は高槻市営バスより
新聞各紙の報道によると、10月23日の朝の検査で検出されたアルコール分は、呼気1リットル中のうち0.11ミリグラム。飲酒運転の基準値では0.15ミリグラムですが、高槻市の内規では0.07ミリグラムと厳しく設定されているとのこと。運転手は「出勤途中の車内で蒸しパンを食べた。申し訳ない」などと話しているといいます。
アルコール検知器を手がける東海電子はこれらの報道を受け、SNS上で「アルコール検知器は『飲酒』検知器ではないため食品に含まれる微量のアルコール成分でも口腔内に残存する間は食品のアルコールを正確に検知します」と説明しました。
飲食物のなかにはアルコールそのものが含まれていたり、製造・加工過程でアルコールが使用され、アルコールが微量に含まれていたりするものなどがあるとのこと。実際、東海電子の検証ではあんパンや清涼飲料水、栄養ドリンク、サンドイッチでもアルコール分が検出されています。

画像はYouTubeより
また、東海電子はさまざまな飲食物・医薬品を食べた後に、どれぐらいのアルコール分が検出されるのかを検証した結果をまとめた調査表を公開しています。調査票によると、肉やゼリー、焼き菓子、わさび漬、目覚まし飲料などでアルコール分が検出されているとのこと。

画像は調査表より
東海電子はこのような結果を踏まえ、「飲酒以外での検知をなくすために、測定の15分前からは飲食しないでください」「直前に飲食してしまった場合は、水でうがいをしてください」と呼びかけています。
過去には「コカ・コーラ クリアにアルコール検知器反応」との情報が拡散
似たような事例として、2018年には透明な炭酸飲料「コカ・コーラ クリア」を飲むと、アルコール検知器が反応するとの情報がSNS上で拡散されたことがありました。

関連記事:「コカ・コーラ クリアにアルコール検知器反応」との情報が拡散 メーカーになぜなのか聞いた
当時、ねとらぼ編集部がアルコール検知器を販売するタニタに取材したところ、広報担当者は「説明書には、食事、喫煙、オーラルケア用品を使用した直後には測定しないようにとの記載があります」とコメント。
食事をした後に検査する場合については、「うがいをした後か、20分以上経過したあとに測定していただければと思います」と、今回の東海電子とほぼ同様の呼びかけをしています(関連記事)。
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