ロシア・ドイツ・ベラルーシ合作の映画「ペルシャン・レッスン 戦場の教室」が11月11日より劇場公開されている。
タイトルやポスターからお堅い歴史ものや戦争ものの印象を持つかもしれないが、実はブラックコメディー的な奇抜な設定で展開する、ハラハラドキドキのサスペンスとしても大いに楽しめる内容。しかも部分的かつ間接的ではあるが「実話」もベースになっているという意欲作ともなっている。

2022年11月11日より kino cinema横浜みなとみらい他にて全国順次公開 HYPE FILM, LM MEDIA, ONE TWO FILMS, 2020 (C)
覚えるほうが大変な命懸けのウソっぱち単語レッスン
本作のあらすじを簡単に紹介すると、「ユダヤ人の青年がペルシャ人と偽って処刑を逃れたものの、ナチス将校からペルシャ語を教えてくれと頼まれてしまい、ウソの単語ばかりの適当ペルシャ語を教え続ける」というものだ。

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初めこそ、ウソの単語を適当に考えて教えればよかったのだが、それは「一時凌ぎ」にすぎない。なぜなら、この将校は思いのほか優秀な生徒であり、前回覚えた単語を正確におさらいし、さらには文章まで話せるようになっていくのだ。
つまり、デタラメなペルシャ語を教えるこちらも、その単語を次回も覚えていなければ、ウソであることがバレてしまうというわけだ。しかもこの将校、ナチスらしい支配的かつ独善的な価値観に染まっていて、「この世で最も憎むのはウソつきと泥棒だ」「恥をかかせるなよ。ウソだと分かればお前を殺す」と笑えないマジの脅しをかけてくる。まさに「命懸けのウソっぱち単語レッスン」が幕を開けるというわけである。

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では、「創作するのは簡単だが、覚えておくのは大変」なウソっぱちの単語を、主人公はどのように授業で提示していくのか……? ネタバレになるので秘密にしておくが、その方法は「なるほど、全てが制限された収容所の中で、そんなやり方があったのか!」と膝を打つものだった。実際の勉強にはまったく使えないだろうが、そのように知恵を振り絞る様がエンターテインメントとして面白い。
ちなみに、案の定というべきか、この将校がブチギレてしまう一幕もある。その時の主人公のミスは「気が抜ければやってしまいそうなもの」で笑うに笑えないが、そこからのリカバリーの仕方が「なるほど! めっちゃ頭がいいなこの人!」と拍手をしたくなるほどに納得できるものだった。一見すると弱々しく頼りないが、実は聡明で機転が効きまくる主人公を、誰もが応援したくなるだろう。

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