FIFAワールドカップカタール2022が現地時間11月20日に開幕。しかし開催国カタールでの人権侵害を巡り、人気歌手が出演を公に否定したり、アンバサダーの英元代表デヴィッド・ベッカムが批判されたり、波紋を広げています。

ベッカムを巡っては英コメディアンのジョー・ライセットが11月13日、Twitterにベッカムを糾弾する動画を投稿し、同時に「ベッカムへメッセージ」というWebサイトを公開。長らくゲイの権利支持者として活動してきたベッカムが、「同性愛は違法で処罰の対象となり、イスラム教徒であれば死刑の可能性すらある」カタール開催のW杯でアンバサダーを務めることを疑問視する声明を発表しています。
ライセットの主張によると、アンバサダー就任にあたりベッカムは1000万ポンド(約16億円)もの報酬を受け取っているとされています。「ベッカムがカタールとの契約を破棄するのなら、ポケットマネーから1万ポンド(約160万円)をサッカー界のゲイ支援のため寄付する」と本人へ呼びかけ。20日に行われる開会式までに返答がなければ同額を「ゲイアイコンとしてのあなたの立場と同じように」シュレッダーにかけるとしました。
日本では「ソーイング・ビー」(NHK)のパーソナリティーとして知られるライセット
ヒューマン・ライツ・ウォッチは10月、カタールではW杯開催のため導入された大勢の外国人労働者が死亡したり、また賃金未払いが横行していると批判。国際サッカー連盟(FIFA)批判にも発展し、11月には開催地決定当時に会長だったゼップ・ブラッター氏がスイス紙に「(決定は)間違いだった」と答えるインタビューが掲載されました。
そのためベッカムの関連投稿にも「カタールW杯のアンバサダーなんてさぞ名誉なことでしょうよ」「カタールの人権のため戦う機会をみすみす逃し、代わりに大金を受け取ることを選んだんだね」「カタールから金を受け取るなんて、恥を知れ」と批判コメントが投稿されています。

また、英歌手デュア・リパは13日、Instagramストーリーズを通じセレモニー出演のうわさを「パフォーマンスはしないし交渉もない」と真っ向から否定。大御所ロッド・スチュワートも同様に、多額でのオファーがあったことを認めながら「正しい選択ではない」と断ったことをSunday Times紙を通じて明言しています。
一方で開会式でのパフォーマンスが予定されているBTSのメンバー、ジョングク(JUNGKOOK)についてはファンを中心に「大舞台頑張って」「私たちの誇り」と好意的な見方が多くSNSに投稿されている反面、視聴ボイコットを呼びかける層もあり、その反発を巻き込み一部で論争になっています。
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