信じられないことが起きた。とある税務署で職員が同姓同名の人に勘違いで、個人情報を流出させてしまったーー。SNS上での報告がきっかけで、確定申告を前に税務署の対応を不安視する声が広がっています。どのような経緯で問題は起きたのか。ねとらぼ編集部では、投稿者のさわだ(@HanakinTV1st)さんと国税庁に取材しました。

画像は公式サイトより
「暗証番号を勝手に教えた」という記述は誤りで、「投稿者のさわださんと同姓同名のAさんを勘違いしてパスワードを再設定した」とのこと
さわださんによると、1月4日にさわださんと同姓同名のAさんがe-Taxの申請のために税務署を訪れ、申請用紙と免許証を提出。Aさんは職員に識別番号があると言われましたが、暗証番号が分からず再設定することにしました。その際、職員はAさんと同姓同名であるさわださんの識別番号を伝えてしまっていたのです。なお、さわださんとAさんは同姓同名ですが、生年月日と住所はもちろん、姓名の漢字も異なります。
その後、Aさんがe-Taxにログインしたところ、さわださんの連絡先を含む情報が表示されました。Aさんは心配になり、表示された連絡先からさわださんに連絡し、これまでの経緯と暗証番号を変えたことを伝えました。その連絡を受けたさわださんは、これまで使用していた暗証番号でe-Taxにログインを試みましたが、やはりログインできませんでした。委任先の税理士事務所の担当者が確認したところ、Aさんに教えてもらった暗証番号ではログインできることが確認されました。
1月10日、さわださんが該当の税務署に電話し、これまでの経緯に伝えたところ、税務署の管理部門の統括官は事実を認めて謝罪したといいます。その後、統括官と経緯の詳細についても確認を重ねることになりました。
さわださんはこの騒動について、「今回の件はかなりびっくりしました。今後同じことが起こらないように、今一度、個人情報の管理を徹底してほしいです」「いずれにしても、今回の件は私と同姓同名の方がすごく良い方だったということに尽きます。わざわざ連絡をくれたことにすごく感謝をしています」などと振り返っています。
国税庁「確認が不十分だった」

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ねとらぼ編集部が国税庁に問い合わせたところ、管理運営課の担当者は「詳細については申し上げられませんが、そのような交付が発生したことは事実でございます。納税者ご本人に対して説明と謝罪をしているところです」とコメント。
過去に同様の事例はあったのかと聞くと、「まったく同様ではありませんが、類似の事例は把握しています」として、今後の対応については「確認が不十分だったと考えており、チェック体制を強化するなど再発防止に向けた検討をしているところです。過去の類似の事例も踏まえた再発防止策を検討しています」と述べています。
なお、万が一、今回のような交付が起きた場合に納税者はどのような対応をすれば良いのかと聞いたところ、「当然、本件のようなご交付がないように対応させていただきますが、万が一、本件のようなご交付を確認できた場合は、まずは最寄りの税務署にお申し出ていただきたく存じます」との回答が得られました。
協力:さわださん
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