福岡県の老舗旅館が、週1回以上は実施する必要がある、大浴場の湯を年2回しか交換していなかった問題が物議を醸しています。旅館は大浴場の設備システムメンテナンスにともない、入浴可能時間を変更すると公式サイトで発表。その後、報道を事実と認めて謝罪しました。

(画像は公式サイトより)
問題が起きた旅館は、1865年に創業された福岡県筑紫野市の「二日市温泉 大丸別荘」。福岡県の条例で公衆浴場ではろ過機能を備えた場合でも、1週間に1回以上は完全に換水するように定められています(※福岡県公衆浴場法施行条例)。
NHKニュースなどの報道によると、大丸別荘では湯の一部を循環ろ過させて連日使用していたうえに、消毒用の塩素の注入も怠っていました。保健所の検査では一時、基準値の最大3700倍のレジオネラ属菌が検出されています(※)。旅館が虚偽報告をしていたため、福岡県は罰則の適用も検討しているということです。
※厚生労働省の公式サイトによると、レジオネラ属菌は感染すると「レジオネラ症」を引き起こすとのこと。レジオネラ症の主な病型には、重症の肺炎を引き起こす「レジオネラ肺炎(在郷軍人病)」と、一過性で自然に改善する「ポンティアック熱」が挙げられます
大丸別荘の公式サイトでは、「重要なお知らせ」として、大浴場の設備システムメンテナンスにともない、入浴可能時間が変更になったことが告知されています。入浴可能時間について、以前は「午前11時〜深夜1時30分、翌朝は5時〜10時まで」としていましたが、2月の第2週以降は「毎週月曜日は夜23時まで、翌朝は6時から(火曜日〜日曜日は深夜1時30分まで、翌朝は5時から)」になるとのこと。今回の指導により、毎週月曜の深夜に湯の入れ替えが実施されるようになったとみられます。

以前から見られた記述(画像は公式サイトより)

新たに追加された記述(画像は公式サイトより)
公式サイトで謝罪【2月24日15時50分追記】
その後、大丸別荘は2月24日、公式サイトで「本日の報道をご覧になられたお客様には、大変ご心配をお掛けしており、誠に申し訳ございません。報道の内容については事実でございます」と、報道を事実と認めて謝罪しました。
「保健所の指導の下、改善を行い、12月末より換水清掃および塩素注入の体制を整え、基準を満たした上で大浴場の営業を再開しております」と説明。「ご予約を頂いておりますお客様には大変ご迷惑とご心配をお掛けしております。取り急ぎ、お詫び申し上げます」と述べています。

(画像は公式サイトより)
※大丸別荘が公式サイトで謝罪したことを受け、記事の一部を加筆のうえタイトルを変更しました【2月24日16時20分追記】
※初出時、福岡市公衆浴場法施行条例のリンクを記載していましたが、正しくは福岡県公衆浴場法施行条例でした。お詫びして訂正します【2月24日23時10分追記】
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