「世の中には、感染性胃腸炎にかかった家族の嘔吐(おうと)物で汚れた衣類や布団を、コインランドリーで洗う人がいるようだ」といった内容のツイートが、近ごろTwitterで拡散されています。ウイルスに汚染された可能性のある汚れ物を、公共の施設で洗うとは……。

感染性胃腸炎は、ノロウイルスやロタウイルスなどの感染性病原体が引き起こす感染症。感染者の嘔吐物や便から二次感染するため、それらの汚れ物は消毒の徹底が必要となります。
- 参考:大阪府のサイト
「そのようなものを、公共の場に持ち込む人がいる」とするツイートは、「ありえない」「普通は消毒して廃棄する」と物議を醸すことに。また、「誰が何を洗っているか分からないので、もうコインランドリーは使いたくない」といった声も上がっています。
汚染物の取り扱いについて、コインランドリーにはどのような規定があるのか。編集部は日本コインランドリー連合会を取材しました。
コインランドリーは汚染のおそれのある物を扱えない
結論から言うと、コインランドリーではノロウイルスなどの感染症に汚染したおそれのあるものは取り扱いできないとのこと。厚生労働省の指導要綱でも、「伝染性の疾病にり患した者又はこれに接触した者が着用した衣類の洗濯の禁止に関すること」を利用者に周知させるよう努めなければならないとされ、コインランドリーでは洗濯できない旨が明記されています。

厚生労働省の指導要綱
また、クリーニング業界を規定する「クリーニング業法」では、「伝染性の疾病の病原体による汚染のおそれのあるものとして厚生労働省令で指定する洗濯物を取り扱う場合においては、その洗濯物は他の洗濯物と区分しておき、これを洗濯するときは、その前に消毒すること」と定められています。コインランドリー業界は適用対象ではないものの、長年クリーニング業法を基準に衛生管理を行ってきたとのことで、その意味でも汚染物を取り扱えないようです。

クリーニング業界団体でも、原則として一般のクリーニング店では嘔吐物の洗浄はできないとしている(マーカー部は編集部の加工)
なお、クリーニング業界では消毒が必要な洗濯物を「指定洗濯物」といい、これを取り扱える「指定洗濯物取扱施設」ならば対応してもらえるとのこと。行政の認可の下に運営される特別なクリーニング店で、各自治体の保健所で確認できます。

指定洗濯物取扱施設についての説明(東京都クリーニング生活衛生同業組合のWebサイトから)
Twitterで話題となった問題について、「弊法人としては、このルールがまだまだ認知されていないことを反省し、各店舗に掲載できる共通の告知ポスターなどの制作を進めていこうと考えております」と担当者。指定洗濯物取扱施設についても、クリーニング業界と連携して紹介していきたいと、取材に答えました。
編集部は往診サービス「みてねコールドクター」所属で日本赤十字社医療センターの小児科専門医、風間尚子さんにも取材を行い、汚染物が出た際の対応について、医師の見解を聞きました。

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