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現実には絶対にあり得ないことでも、もしもそれが実際に起きたとしたら、世界は一体どうなるのか。SFというジャンルは思考実験でもある、と言われる理由は、そのような「現実に起こり得ないことをどう起こすか」「それが起きたらどのような結果になるのか」という思考実験を重ねたもの、と捉えられるためだそうです。
今回ご紹介する作品は、生き物にとって必要不可欠な物質の特性が、ほんの少しだけ変わったらどうなるのだろうか……というもの。漫画の作者は勝見ふうたろー(@mangaka_tsumi)さんです。

ある日のこと。世界中のすべての水が、ほんの少しだけ硬くなりました。少しだけ硬くなった水は「スライムのような柔らかい物質」で、この日から世界中の水は「液体で飲めるもの」ではなく「歯ごたえがある食べるもの」「固体として“使う”もの」となったのです。


この異変が起きたことで、日本はもちろん世界中がパニックとなりました。ですが1カ月ほどで事態は収まり、世界も人間も徐々に「少しだけ硬くなった水」へ適応していきました。


水を嗜好品として楽しむ人、水を使った新たな料理レシピの開発、水で遊ぶテーマパークの開設、などなど。生き物と水との関わり方は大きく変わり、人々は「変化した水」のある生活を楽しみはじめたのです。



そのように「変わった世界」を見て、主人公の女の子は考えます。「確かに社会は変わり、人間の身体と水の関係も変わった。でもこれは、本当に変化と呼べるのだろうか」と。それでも彼女は深く悩むこともなく、新たな世界に順応した普通の生活を送るのでした。
ところで、水が飲むものではなく食べるものとなったため、人々はいつの間にか「喉が乾く」という感覚を忘れていました。そしてまたある日のこと、始まりの日と同じように、ひとつのできごとが唐突に起こるのですが……。
水が少し硬くなった世界は一体どうなったのか。その結果として何が起きるのか。さまざまに考えられる物語の結末は、漫画を読み進めてお確かめください。
作品提供:勝見ふうたろー(@mangaka_tsumi)さん
記事:たけしな竜美(@t23_tksn)
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