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漫画を描くたびに思い出す、高校時代の英語の先生によるアドバイスを描いた漫画に、読者から多くの反響が寄せられています。読者は作者のわざとらしさを読み取ってたりしますよね。

漫画家のかっぴー(@nora_ito)さんは、漫画を描く度にある先生からもらったアドバイスを思い出すそうです。それは美大の教授ではなく、高校時代の英語の先生でした。


カナダでの語学研修の思い出を作文にして提出する課題が出て、作文が得意なかっぴーさんは自信満々。現地コーディネーターのパトリックとの思い出を書くことにしました。何気ない日常をいくつか書き、クライマックスでは感動的な別れのシーンという構成にしました。


かっぴーさんが「Good bye(さようなら)」と言うと、「“Good bye”は適切じゃない。“See you(またね)”、そう言うんだ」と、晴れやかな笑顔で教えてくれたパトリック。かっぴーさんは心の中で、立派な大人になってパトリックと再会しようと願い「その日までSee you」という文章で締めたのでした。その最後の締め方を先生は批判しました。「こっからクセェ……!」


穏やかな先生が苦い表情をして指摘したのは、最後が蛇足だからです。そこまでは丁寧に真実を書いているので、パトリックの「See you」の段階で読者の中では感動が起きていました。しかし最後で会いに行くつもりもないのに再会したいかのような嘘を書いた、その蛇足が「クセェ」というのです。


かっぴーさんは読者に“こう読んでほしい”と決めて話を盛ったことを反省し、書き直すことにしました。そして最後に、先生はもうひとつかっぴーさんに教えてくれました。「パトリックはお見通しだったと思いますよ。二度と会いに来ない日本の若者にパトリックは“See you”と言ったんです」
先生は「文章の上にある感動なんて程度が知れてます」と指摘し、読者の心の中で自然と生まれる感動にとっては余計なものだと言います。漫画の締めくくりは、そのアドバイスの通りに感動を読者に委ね、あえて作者が先生の言葉にどう感じたかは書かずに終わっています。
読者からは「アドバイス通りの漫画になってるのが良い」「書いてる人がここで感動してほしいんだろうなってのが透けて見えると覚めますよね」「創作は読者側の脳みその力も結構借りる」など、思い思いの感想がリプ欄に続いています。
作者のかっぴー(@nora_ito)さんは、現在noteで『左ききのエレン』を、UOMOで『柳さん ごはんですよ』を連載中です。
作品提供:かっぴー(@nora_ito)さん

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