カメラの老舗メーカーとして知られる「ライカ」の直営店・ライカプロフェッショナルストア東京で開催されている、日本生まれのサブカルチャー「コスプレ」をテーマにした写真展「世界をまとう」に行ってきました。

作品を出展しているのは、メンバー全員がライカ製カメラを愛用しているコスプレ写真家グループ「Full‐course」。ライカ銀座店の2階にある「ライカプロフェッショナルストア東京」の店内に、メンバーそれぞれが厳選した作品13点を、専門機材を使ってプリントアウトして展示しています。
「東方Project」「原神」「Fate/Grand Order」などのキャラクターに扮(ふん)したコスプレイヤーが、世界と一体になったような写真が並び、アニメや漫画などで描かれる空想上の世界が実在するかのように表現した写真の数々に目を奪われます。まるで1つ1つの額が異世界につながった窓になっているかのようです。

展示の中にはデジタルサイネージも設置され、大きなタッチパネルの画面を操作して、全73点のコスプレ写真を自由に閲覧できるようにもしています。

カメラマンそれぞれが目指してる方向性には違いがあるものの、「Full‐course」で共通しているのは、コスプレの写真とは「美術」であるというこだわり。中でもメンバーの1人であるuhimaruさんに話を聞くと、日本に限らず中国や東欧などの伝統的な美術作品から多大な影響を受けながら、「世界」を表現するという作風に落とし込んでいき、いまできる表現のさらに先を探して研究を続けているそうです。
「1つの転換点となる写真展」と意気込むFull-course
今回の写真展に向けて「Full‐course」がアクションを起こしたのは2年ほど前。ライカといえばプロ御用達の老舗。100年以上の歴史がある中で「コスプレ」をテーマにした写真展の開催は前例がなく、実現に向けた道のりは険しいものだったことが想像できます。

そんな彼らの味方となったのは、ライカプロフェッショナルストア東京の店長さん。実際に「Full‐course」の作品を目にし、メンバー全員がライカ製品を愛用しているという熱心なファンぶりを受けて、写真展の開催に向けて後押ししてくれたそうです。
いざ写真展が始まると「これまでとは違った客層の人々が訪れるようになった」と喜んでいるようすで、実際に取材中も若い男女が訪れて展示されている写真を興味深そうに見ていました。

ライカといえば、かつては「ライカ一台、家一軒」と言われる高級品の代名詞的な存在。お固いワードが脳裏に思い浮かぶメーカーですが、前例のない新しいことに挑戦する姿勢には気概を感じました。
写真展「世界をまとう」の開催期間は2023年9月1日から10月28日まで。ライカプロフェッショナルストア東京は日曜日と月曜日が定休日となっており、火曜日から土曜日にかけては11時から19時まで営業しています。
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