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消費者庁は9月21日、棺内のドライアイスによる二酸化炭素中毒について注意を促しました(消費者庁による動画)。棺の中の二酸化炭素を吸引することで、遺族が亡くなるケースが発生しており、十分な換気などが必要だとしています。

棺内を覗き込む様子(事故時のイメージ)
日本では人が亡くなってから24時間が経過した後でなければ火葬できないことから、棺の中にドライアイスなどを入れて遺体を安置しておくことが一般的です。事故情報データバンクによると、葬儀場でドライアイスを入れた棺桶の小窓を開けたり、顔を入れたりしたことが原因で死亡した事例が複数件発生しているといいます。

そこで国民生活センターは棺内にドライアイスを配置し、蓋を閉めた状態と蓋を開けた状態での二酸化炭素および酸素濃度の推移を調査しました。その結果、蓋を閉めた状態ではテスト開始直後から二酸化炭素濃度が急激に上昇し、20分後には「ほとんど即時に意識消失」するとされる濃度(30%)を超え、4時間後には90%前後でほぼ一定となりました。

蓋を閉めた状態の棺内の二酸化炭素及び酸素濃度の推移
また、蓋を開けた状態では、ドライアイスの入った棺内部に顔を入れた際に被害に遭っていると考えられることから、二酸化炭素濃度が約90%の状態で、静かに棺の蓋を全て開けたときの推移を調査しました。その結果、二酸化炭素濃度は開けた直後に約60%まで急激に低下しましたが、その後、低下は緩やかになり、約50分が経過しても「ほとんど即時に意識消失」するとされる30%以上を維持していました。

蓋を開けた状態の棺内の二酸化炭素及び酸素濃度の推移
高濃度の二酸化炭素では、二酸化炭素中毒の症状を自覚してから意識消失までの時間が短い特徴があります。消費者庁は葬儀の際、遺体を安置する環境では以下の5点に気をつけるよう呼びかけています。
- 棺の中に顔を入れないこと
- 室内の換気を十分にすること
- 線香番などで1人にならないこと
- 気分が悪くなったらすぐに棺から離れ、異常があれば直ちに119番通報を
- 不明なことがあれば葬儀業者に確認を
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