近年、動物の虐待や飼育放棄、悪質な業者による繁殖・販売、不適切な飼養が社会問題となっています。個人や団体、地域が行き場をなくした動物たちを守るため、日々保護活動に取り組む一方で、動物たちが命を失う悲劇は後を絶ちません。
環境省Webサイト「動物の愛護と適切な管理」は、2021年4月1日〜2022年3月31日に殺処分された犬・猫の全国総数が1万4457匹と発表。前年と比べ約9000匹減少しています。また昨今、国内では殺処分への否定的な意見と保護への関心が高まり、殺処分数は減少傾向、保護犬・猫の譲渡数は増加傾向を見せています。微力でも地道に保護という選択を伝え続けていくことが、動物たちの命を守ることにつながるかもしれません。

そこで、ねとらぼ生物部では保護動物と暮らす読者にアンケートを実施。寄せられた数々のエピソードと写真を紹介するとともに、尊ぶべき命の輝きや、愛する家族との暮らしの喜びを伝えていきます。
第38回は保護猫兄妹の2匹
第38回は投稿者・鰤身さんと暮らす保護猫兄妹(現在の年齢:生後8カ月)。保護猫譲渡で“兄妹一緒”を打診され、不安のなか2匹を同時にお迎えした鰤身さん一家。“駆虫済み”なのに便には条虫がいて、食べても食べても大きくならず……。当時の赤裸々な思いと、不安を吹き飛ばした2匹の成長を紹介します。
―― 2匹との出会いと、保護当時の状況を教えてください
鰤身さん:2匹はペットの里親募集情報サイトで譲渡していただいた保護猫です。サイトで写真を見たとき、かわいくてキュンとしたことを覚えています。複数の兄妹猫だったので、引き受けを複数で打診され2匹を迎えましたが、多頭飼育をしたことがなく不安でした。また駆虫済みとのことでしたが、自宅に連れ帰ると便に条虫がいて、食べても食べても大きくなりませんでした。
お迎え当時、2匹は生後2カ月で離乳したばかりでした。ソファの下に潜り込んだり、すみっこに隠れてしまったりと大変だったことを覚えています。2匹は兄妹猫とはいえ性格やペースが全然違いました。しかし兄妹がいたからこそ、寂しくなく過ごせていたのではないかと感じます。初めてゴロゴロしてくれたときは本当にうれしかったです。
―― 2匹の現在の様子を教えてください
鰤身さん:ゴロゴロスリスリの絶えない甘えん坊兄妹になりました。肩に乗る、膝に乗る、顔に頭突きで愛情表現してくれる……、言葉にしても足りないほどの、想像以上の癒やしをくれる存在になりました。
―― 最後に、保護動物に対する思いを聞かせてください
鰤身さん:全ての猫ちゃんワンちゃんが、ずっとのおうちで幸せに暮らせる世界がいいと思います。
(了)
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