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「大乱闘スマッシュブラザーズ」シリーズで知られるゲームデザイナー、桜井政博さんのYouTubeチャンネル「桜井政博のゲーム作るには」が、10月22日公開の特別編で最終回を迎えました。そこで明かされた制作の舞台裏に、ゲームファンから驚きの声が上がっています。
企画の始動は2021年、休める時期をあえて動画制作に
桜井さんは2022年8月24日に最初の動画を公開。作り手がゲームをより面白くする手助けになるかもしれないし、プレイヤーもゲームを深く知ることで、より楽しく遊べるかもしれない――といった趣向で、桜井さんが開発のノウハウや仕事への考え方などを披露してきました(関連記事)。
企画の始動は2021年10月下旬、「大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL」が桜井さんの手を離れたころ。すでに次の新規プロジェクトは決まっていたそうですが、スタッフの結集に翌年4月頃までかかるため、スケジュールに数カ月の空白期間ができたといいます。

普通ならばリフレッシュ休暇を……と考えるところですが、桜井さんはこの期間を動画の企画・制作に充てようと決断。まず全256回分の台本を書き、1人でまとめ撮りしたのだそうです。簡潔に書いてしまいましたが、この時点で超人の域ですね……。

総製作費約9000万円もあえての「無収益」
YouTubeチャンネルを開設することは事前に任天堂にも許可を取り、動画に挿入するゲーム映像などは、私物のコレクションを活用して自ら撮影。開発版ROMの映像など、桜井さんにしか用意できないものも多数収録しました。
2022年2月頃には素材がそろい、制作会社に動画編集を依頼します。そして同年8月にはいよいよチャンネルを公開。新規プロジェクトと並行して動画のチェックや修正、更新作業を行う、ハードな日々が続いたそうです。
のちに「ゲームセンターCX」とのコラボ動画も加わり、チャンネル開始から2年半で全260回の動画が公開されました。総制作費用は約9000万円で、そのほとんどは編集作業にかかる費用だと明かしました。
しかし「ゲーム業界への投資」として、チャンネルは収益化をしていません。桜井さんはそれでも「費用対効果は良かったのではないか」とし、「今後のゲーム業界にごくわずかにでも後押しになること、貢献できることを心から願っています」と述べています。


「仕事への考え方がためになる」と他業界からも好評
ゲーム制作者にはいつでもアクセスできる虎の巻として、プレイヤーにはよりゲームを深く知るための手引きとして、働く人には心得や考え方などの参考として活用してもらえれば――そう締めくくられた動画は大きな反響を呼びました。桜井さんのハードな仕事ぶりに、X(Twitter)では「ゲーム業界にとって最高のボランティア」「本当にお疲れ様でした」「まさか2年程前からチャンネル準備の撮影やらいろいろしてたとは」などと、感謝やねぎらいの声が寄せられています。
「仕事への取り組みや姿勢についても非常に参考となり、実際に取り入れて確かな実績も得られました」「2年半前ということに驚きつつ、それだけ計画的でいることの大事さが伝わりました」など、他業界からも感心する声が多数。また、現在桜井さんが進めている新規プロジェクトについても、期待の声が上がっています。
画像はYouTubeチャンネル「桜井政博のゲーム作るには」より引用



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