「指輪」が1個隠れています。見つかるかな?
問題

答え

「指輪」は右手前の木の枝に隠れていました。
最後に、物語の結末をどうぞ。
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「あなた、ひとりで来たの?」
黒い影が少女に向かい、話しかける。
「ダメじゃない、ひとりで雪山なんかに来ちゃ」
「なくしものを、してしまったんです」
「なくしもの?」
影が問いかけると、少女はぽつりぽつりと言葉を紡いだ。
「なくしもの、ではないですね。わたしが自ら捨てたのだから。……母の形見だったんです。でも、わたし、母がもうこの世にいないっていうことを、受け入れたくなくって。それで、見るだけで母を思い出してしまうから、唯一の形見の指輪を、遠くに投げ捨ててしまったんです。でも、それから、すごく後悔して……」
「そう、指輪……それって、もしかして、これのことかしら」
黒い影はうでをすうっと伸ばし、遠くの木の枝に引っかかっていた指輪を取り寄せた。
「これは……間違いありません、母の形見です。もう二度と見つからないと思った……ありがとうございます、本当にありがとうございます……」
「そう、あってたの。それは、よかった。じゃあ、暗くならないうちに、はやくおかえりなさい。もうじき夜が来ますよ。夜の雪山は、とっても危ないから」
そう言うと、影はふっと姿を消してしまった。見上げると、空はすっかりオレンジ色をしていて、どんどん夜が近づいているようだった。
少女は、くるっと踵を返し、帰路についた。そうして、あの、黒い影の声を、何度も何度も思い出した。
「お母さん……」
母にそっくりなその声を胸のうちで反芻しながら山を下りると、あたりはすっかり夜になっていた。
真っ黒に染まった空を見上げ、少女はそっと涙を流した。
それはまるで、あの自由自在に伸縮する黒い影がめいっぱい身体を伸ばして、町をすっぽりと包んでしまったかのようだった。
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