根が地面に伸び、動かなくなってしまった鉢植えを救出する方法を教えてくれる動画がYouTubeに投稿されました。動画は記事執筆時点で2万9000回以上再生され、500件を超える高評価が寄せられています。

【良くある 鉢植え株が動かない】根が地面に伸びて動かない鉢植えは、2つの選択肢で救出/ 鉢バラを使って解説します/ 〇〇を間違うと枯れるので要注意です【ガーデニング】

 動画が投稿されたのは、YouTubeチャンネル「yamakana farm やまかなふぁーむ」。同チャンネルにはアナウンサー、樹木医補、書道の師範として活動しているやまかなさんが、農業や植物に関する動画を投稿しています。

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揺らしても動かない鉢植え

 今回は、根が伸びすぎて地面に張り付き、動かせなくなってしまった鉢植えを救出する方法を教えてくれるというやまかなさん。地面に直置きした鉢植えがいつの間にか動かなくなっていて困っている、という方も多いのではないでしょうか。

 やまかなさんは2022年3月に購入した「バフビューティ」という品種のつるバラの株で作業をしつつ、鉢植えを救出する方法を解説してくれるとのこと。今回はバラで作業を行いますが、バラに限らず、常緑樹や宿根草も同様に救出できるそうです。

つるバラ
こちらのつるバラを救助します
つるバラ2024年1月
1年で成長して根が伸びた結果

 土の上に直置きしていたつるバラの鉢は現状、鉢を強く揺らしても全く動きません。鉢の底を少し土に埋めていることもあり、鉢底から根が出て、広範囲で根が広がっている状態だと推測されます。

鉢植えを土の上
強く揺らしても全く動かなくなってしまいました

 約1年前に植え替えをしたときには枝が2本だけでしたが、現在は枝が6本に増えているところを見ると、その分根の量も増えているはず。こういった状況の植物を救出したいときには、2つの対処法があるのだといいます。

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根が地面に伸びて動かない鉢植えの対処法

 対処法の1つ目は、そのままにしておくこと。地植え株のように鉢に入れた状態で育てていくのも1つの手であり、根が成長していくとやがて鉢底穴から出た根が肥大して鉢底穴をやぶりながら成長するため、そこまで心配しなくていいそうです。

 ただし、根が鉢底穴を完全にふさぐと水が抜けにくくなってしまい、根腐れの心配が出てくるとのこと。そのためそのままにしておく場合は、水がちゃんと抜けているか定期的にチェックする必要があるのだとか。

そのまま赤文字
対処法の1つ目は「そのまま」

 対処法の2つ目は、掘り上げてリセットすること。長年放置した株は掘り上げることが難しいけれど、1〜2年くらいの株であれば掘り上げることができるそうです。

 ただし掘り上げをする場合は、掘り上げを行う時期選びに注意が必要とのこと。植物の種類によって掘り上げに適した時期があり、バラのような落葉樹は落葉して休眠している冬(12〜2月頃)、常緑樹は春の芽吹きのシーズン(3〜4月頃)、宿根草は春や秋が適しているそうです。

掘り上げてリセット赤文字
対処法の2つ目は「掘り上げてリセット」

 今回のつるバラは、2つ目の「掘り上げてリセット」の方法で対処していきます。この場所が借りているスペースであること、1年でこれだけ根が張っていることを考えると、まだ動かせる状態のときに作業を行っておく必要があると考えているのだとか。

 まずフェンスへ留めていた枝を取り外してから、鉢を中心に放射線状に広がっていると思われる根に向かってスコップを入れ、地面に伸びた根を切断していきます。

 この作業ではとにかく根を切断して移動できるようにしていきますが、クレマチスのような直根性の植物は基本的に根を切る作業自体がNGとのこと。そういった植物は移植が難しいため、時には諦める必要もあるのだそうです。

地面に伸びた根を
地面に伸びた根を切断していきます

 スコップで切れない根はハサミで切りつつ、軽く剪定(せんてい)も行います。古くなって今後必要なさそうな枝はこの段階でカットし、植え替えのために場所を移動します。

 鉢を移動させたら、掘り出したバラの植え替え作業に突入。まずは鉢から株を抜くために、鉢底穴よりも太くなってしまっている根をカットしていきます。

鉢の底から伸びた根
すごい根が生えていました

 カットが終わったら株を鉢から抜き出し、鉢底石や雑草を取り、根鉢をほぐします。古い土を落とすような感じで作業を進め、ある程度ほぐせたら植え替えを行いましょう。今回は同じサイズの鉢に植え替えますが、株の大きさによってはサイズアップしてもいいそうです。

掘り出されたバラの根元
掘り出したら根鉢をほぐして

 今回の植え替えでは鉢底石は入れずに土と元肥を入れ、鉢の中央に株を置き入れます。空いているスペースに土を入れたら土に棒を突き刺してぐりぐり動かし、根と根の間にも土を入れていきます。

 やまかなさんによると、根をかなりほぐしたときはこの作業をしないと、土が入っていない根が枯れてしまう原因となるそうです。また土をしっかり入れることで、植え替え後の株のぐらつきも軽減できるのだとか。

根をかなりほぐした
植え替え、根と根のすき間にも土を入れます

 土を入れ終わったら、たっぷりと水を与えます。今回のようにかなり根を切ったときは、根の回復を促すために活力液を使ってもいいそうです。

 最後に根を切った分、地上部(枝葉)の量を減らして地上部と根のバランスを取っていきます。冬剪定と葉むしりも行ったら全ての作業が完了、ここまでがワンセットの作業になるそうです。この作業をすれば動かなかった鉢植えでも植え替えをしたり、他の場所で育てたりできますね!

リセット作業が完了したつるバラ
これで作業完了、お疲れ様でした!
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「まさに動かなくなった鉢があります」「思いきってトライしてみます」の声

 動画には、「まさに動かなくなった鉢があって、土替えとかどうしたらいいか悩んでました」「動かなくなってかなり経った鉢が二つあります。毎年咲くのですが植え替えてあげないとなぁ」「思いきってトライしてみます」といったコメントが寄せられていました。

 やまかなさんはYouTubeチャンネル「yamakana farm やまかなふぁーむ」やInstagram(@yamakanafarm)にて、農業や植物に関する情報を発信しています。

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