98媒体、265人の報道陣が参加した会見当日、裏側では何が起こっていたのかを詳報します。
INDEX
- 3月29日:記者会見のお知らせ
- 3月31日15時40分:フジテレビ本社前到着
- 3月31日15時44分:手荷物検査
- 3月31日15時52分:着席
- 3月31日16時29分:音声信号のテストを実施
- 3月31日17時:会見開始
- 3月31日17時50分:日枝氏関連質問で会場がピリッ
- 3月31日19時3分:第三者委員会の会見が終了
- 3月31日19時20分:フジテレビから資料配布
- 3月31日19時25分:清水社長登場
- 3月31日20時00分:謎の参加者が「苦言を呈しに来ました」
- 3月31日20時08分:「長いんだよ!」記者が社長に怒号
- 3月31日22時03分:質問2巡目がスタート
- 3月31日22時09分:松本人志さんに関する質問で混乱
- 3月31日22時14分:清水社長「すみません、これはどこからが質問なんでしょうか」
- 3月31日22時27分:会見終了
- 記者の目:印象に残ったポイント3点
- 記者の目:他媒体の記者たちの話
- 記者の目:最後に
- 会見場の写真
- これまでのフジテレビ会見記事まとめ
- ねとらぼの人気記事
記者の目:印象に残ったポイント3点

今回の会見で筆者の印象に残った点は大きく分けて3つ。
1つ目は「司会者の巧みな戦略」です。通常の会見ではどちらかというとスーツを着た大人しそうな記者が序盤にあてられる傾向が強い中、本会見では一癖ありそうな記者やフリーランスの記者が中心に当てられており、オールドメディアの記者からはかなり不満の声が聞かれました。

しかし筆者はこれをフジテレビ側の巧みな戦略ではないかとにらみました。
というのも今回の会見においては「質問は1社1問1回限り」とされていたのですが、この制約は「第三者委員会会見」と「FMHの会見」を合わせて1回というルールだったため、難易度の高い質問をしてきそうな名物記者たちを答弁なれしている第三者委員会の弁護士にぶつけることでフジテレビ側の回答難易度を下げようという考えが働いているのではと感じたのです。
もちろんたまたまそうした状況となった可能性もありますが、序盤から会見場内で誰かが当たるたびに「あぁ、あの人来てるんだ」と言われるような記者たちがこぞって質問権を得ている様子はなかなか異様でした。
2つ目は「これは質問なのか、演説なのかという記者の質問」です。
質問権を得た途端、「苦言を呈しに来ました」と、ある宗教団体についての批判を大声で始めた参加者がいたことはいくつかのメディアが報じていましたが、これ以外にも質問内容が判然としないものが多数見受けられ、清水社長が「すみません、これはどこからが質問なんでしょうか」と聞き返す場面までありました。
最後に、「なぜ記者は怒鳴り散らしているのか」。多くの記者が何かの義憤に駆られているような姿勢で、第三者委員会のメンバーと清水社長に怒りをぶつけるような質問の仕方をしている点は現場にいてとても違和感がありました。

記者会見は記者やメディアのために存在するのではありません。また、記者は読者・視聴者の理解を深めるため、その代理として質問しているという立ち位置だと筆者は考えています。
にもかかわらず詰問口調で「まさか調べてないとは言わないでしょうね」というような質問の仕方をしたり、他の人が質問している場面で不規則発言を繰り返したり、1人1回という質問のルールを無視して強引な質問を続ける記者たちを見て、同じ職業ということが恥ずかしくなりました。
今回の記者会見は、フジテレビ内でのコンプライアンスや社会一般的なルールが守られていなかったことから開かれたものともいえます。しかしそれを追求する記者たちがルールを守れていないという点は非常に残念に感じました。
記者の目:他媒体の記者たちの話
また他の媒体の記者たちの話も聞けたり、話が聞こえてきたりしました。主に多かったのは第三者委員会の調査能力の高さを評価する声です。
「中途半端な報告書で『時間的制約があったためここまでしか調べられなかった』というのかと思ったら、こんなにちゃんとした報告書が出てきて驚いた。2カ月でこの情報量は弁護士すごい」という声が、“取材して書く”ことを生業としている記者たちから続々と上がっていた点は本当にすごいことだと思います。
また「被害者女性Aさんはこれからどう動くのか」「中居氏はどうしているのか」といった関係者の現在を気にする記者の姿も多くみられました。
会見全体という点ではやはり「全然当たらない」という意見が圧倒的で、5時間27分に及んだ会見中、何度も手を挙げ続けた記者はぐったりした様子でした。ただ会場の環境という面では水の配給に加えて、電源とwi-fiの供給に驚いている記者が少なくありませんでした。

また会見の終了後には退出時に多くの記者が「フジテレビ会見STAFF」と書かれたカードを下げているスタッフたちにあいさつや労いの言葉をかけており、スタッフたちも出口で「雨で路面がぬれております。気をつけてお帰りください」と見送るなど最後の最後まで心配りを欠かさぬ様子でした。


記者の目:最後に
フジテレビ社内のさまざまな問題点が浮き彫りになった第三者委員会による調査報告。フジテレビが襟を正そうとする今、同じ報道陣である私たちも姿勢を正さなければならないような気がした、そんな記者会見でした。

(Kikka)