ねとらぼ
2025/04/15 19:30(公開)

癒し系かと思ったら「なんか戦わないと生きていけない」ゲームだった スマホアプリ「ちいかわぽけっと」プレイレポート

 スマホアプリ「ちいかわぽけっと」が3月27日にリリースされました。配信決定は2024年8月頃なのですが、その際からリリースまで、いったいどういうアプリなのかはよく分かりませんでした。

 討伐に出かけたり料理を作ったり、アイテムを集めて自分の家を飾ったり。そういう「ちいかわ」こと「なんか小さくてかわいいやつ」の生活をのぞいてみるような、ある意味どうぶつの森シリーズのようなゲームをぼんやりと想像していました。

 個人的に、ちいかわのファンは大きく分けて2種類存在していると思っています。片方はちいかわを見て「かわいい!」「けなげ!」と応援するタイプのファンです。かわいいキャラクターを素直に愛でる人たちですね。もう片方はちいかわの世界にちらりと見える暗い側面を見て喜ぶタイプ。かわいいキャラクターが理不尽な目に遭うのを見て嘆くのが見たい、という感じの人たちです。

 自分もちいかわというコンテンツは更新されるたびに楽しく拝見しているのですが、どちらかといえば後者の人間なのです。そんな人間がそんな「ちいかわの世界を愛でるゲームをプレイして楽しめるのか試してみたい」という思いから手を出してみましたが、思ったよりもシビアというか厳しいゲームでした。

 はじめてちいかわぽけっとを立ち上げると、「ちいかわたちの様子を追いかけてみよう!」という画面のあとに討伐画面があらわれます。ここが全ての起点になっており、ちいかわは何もしなくてもひたすら討伐を続けます。ホーム画面は別にあるのですが、討伐画面を見ている方が明らかに長いのです。

 討伐対象はマンガにも出てくるギチギチ言う虫なのですが、定期的にボスが現れます。延々と雑魚を倒しボスを倒していくと、そのうち勝てなくなります。そこでちいかわたちのステータスをアップしたり、ちいかわだけではなくハチワレやうさぎを開放して仲間に加えたりすることで強くなり、先に進めます。

 ボスに勝てなくても自動でリスタートして「ボスと再戦する」ボタンを押すことで再挑戦。何をすればいいかはずっと「ミッション」という形で画面に出ているので、その指示に従えば対応は可能です。このあたり、いわゆる「放置系ゲーム」に近いものを感じます。ただし、ログアウトしていたりバックグラウンドでアプリを起動していても討伐は進みません。

エンドレス討伐が始まるともしらずでかけるちいかわたちを追いかけます
すべての始まりにしてずっと見ることになる討伐画面です
最初のボスは「こんなになっちゃった……」なキメラ
ハチワレやウサギ開放画面

 ちいかわやハチワレにはレアリティがあるのですが、ガチャで強い仲間が入手できるというわけではありません。ではこのゲームのガチャは何が入手できるのかと言うと、ちいかわたちの武器や装備、おたすけと呼ばれる一定時間ごとに敵を倒してくれるキャラクターたちです。これらを入手するガチャはガチャを回せば回すほどレア度の高いキャラクターが出てくるようになる「レベルアップするガチャ」となっており、筆者が知る放置系ゲームでは「キノコ伝説」に同様の仕組みがあったのを覚えています。

ガチャ画面。ガチャにレベルがあるのがわかるでしょうか

 キャラクターに限らず、討伐の進行によりいろいろな要素が開放されます。作品に登場するちいかわたちの開放も、討伐のステージ進行や討伐で稼いだお金でステータスアップをすることで行われます。家の中にいろいろなものを置くハウジング要素的な「もようがえ」も討伐を進めることで開放され、家具も増えていきます。なお、この「もようがえ」も家の中にものを置くと能力値に補正がかかる戦闘要素ではあります。同様に「草むしり」というちいかわおなじみの要素もミニゲームとして実装されます。

 ひたすら画面下へ進んで草むしりを続けだけのミニゲームなのですが、討伐に必要な能力値を増やすためのアイテムが手にはいります。

 さらにゲームを進めると「むちゃうまフェス」と呼ばれるフェス会場で仲間たちが料理を売るというコンテンツが開放されます。これも見た感じはちいかわがお店を開いて料理を売るというかわいいイベントなのですが、料理を売って稼いだコインで何をするかと言うと討伐に必要な能力値を増やすのです。例外的なのは、時折開放される漫画を読める部分でしょうか。原作漫画のコマを再編してWebtoon風味に再編集された読ませ方はちょっとおもしろいと思いました。

もようがえ用アイテムに「つよさ」補正が入っています
ひたすら下に進んでいくだけの草むしり
初期なのでまだお店が少ないむちゃうまフェス

 ここまで読んでいただいて皆さんお気付きかもしれませんが、ちいかわをお部屋において愛でたり草むしり体験したりお店で料理を売ったりというこのゲームのほとんどの要素は、全て討伐を効率的に進めるためのものとなっています。

 確かに原作の「ちいかわ」にもしばしばモンスターとの戦闘描写はありますが、基本的には仲間たちとゆるく過ごしているもので、ここまで頻繁に戦っていた記憶はありません。ちいかわを純粋に愛でる派ではない自分ですら疑問に思える世界です。

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