ねとらぼ
2025/04/29 07:50(公開)

なんかすごい中華包丁を作ろう→プロが本気で加工したら…… “意味わからんレベル“の仕上がりに77万再生 「言葉が出ません」「なんて才能だ」【海外】

すごい……!

 一見、ただの中華包丁が驚きのアート作品に変貌。そんな信じられないような瞬間を収めた動画が、YouTubeで話題を呼び、記事執筆時点で再生回数は78万回を突破しています。

 動画を投稿したのは、金属彫刻やエッチングを駆使して、ナイフや斧などの金属製品を芸術作品へと昇華させるアーティスト「Kirill Runz」さん。今回は、新品の中華包丁を使って終末感ただようアート作品を作りました。

中華包丁がまさかの作品に
中華包丁がまさかの作品に
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下絵から始まるアートの設計図

 まずは包丁のサイズに合わせて、2枚の手書きイラストを用意。一つはペストマスクをかぶった人物を描いたダークファンタジー調、もう一つはガスマスク姿の人物を描いたSF風。どちらも不穏で重厚な空気感を放っており、終末世界を想起させるデザインです。

上手なイラスト
上手なイラスト

 これらのイラストを透明シートに転写し、包丁に塗った塗料(レジストのような保護膜)に重ねて鉛筆で線をなぞることで下絵を写し取ります。

包丁に塗った塗料の上にイラストを写す
包丁に塗った塗料の上にイラストを写す

 その後、イラストの線に沿って、針のように細い道具を使って塗料を削り落とす作業へ。細かい部分も丁寧に削ることで、後の腐食工程で模様がくっきりと浮かび上がる準備が整います。

イラストの線に沿って、針のように細い道具を使って塗料を削り落とす
イラストの線に沿って、針のように細い道具を使って塗料を削り落とす
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一度目の失敗とやり直し

 最初のチャレンジでは、塗料がうまく密着しておらず、下絵の線をなぞっても仕上がりが不鮮明に。Kirillさんはその仕上がりに納得できず、“これは失敗だ”と判断。塗料の塗り直しだけでなく、塗料を削る針のようなツールまでも自ら研ぎ直し、より繊細な表現が可能な状態へと整えました。

塗料がうまく密着せず針も太いため均等に削れないよう……
塗料がうまく密着せず針も太いため均等に削れないよう……

 再スタート後、下絵の線に沿って塗料だけを丁寧に削っていきます。ここで削っているのは金属そのものではなく、あくまで塗料の層。削った部分が後の腐食工程で露出し、模様として浮かび上がる仕組みです。

再挑戦するときれいに削れています
再挑戦するときれいに削れています
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電気で刻む金属の表情

電気を流すと金属が溶ける
電気を流すと金属が溶ける

 続いて、包丁に電解液(酸性の薬品のようなもの)を塗り、電気を流すと、露出した金属部分が化学反応を起こして腐食し、表面にでこぼこが生まれていきます。処理後は赤茶けたようなサビが発生したように見えますが、これを丁寧に洗い流すと削った部分だけが美しく浮かび上がり、まるで金属に彫刻を施したかのような仕上がりに。

 ただし、この工程を1回行っただけでは、イラストの模様がくっきりと浮かび上がらないため、Kirillさんは再び透明シートを使ってデザインを転写し、同様に塗料を削り落とす作業を行います。これにより、模様の輪郭がよりはっきりと際立ち、立体感のある仕上がりとなりました。

イラストが浮かび上がり立体的に見える!
イラストが浮かび上がり立体的に見える!

包丁に宿る芸術の魂

驚がくのアート!
驚がくのアート!

 最後は表面を研磨したり、色を入れたりして細かく仕上げを行う工程。光を当てると陰影がくっきりと浮かび上がり、実用の域を超えたその姿は、もはや“刃物”ではなく“芸術”。ひと目見れば、誰もが息をのむこと間違いなしです。

 この作品には、「人類が存在する理由は、こういうことをするためだ」「芸術のマスタークラスだ。ブラボー」「言葉では言い表せないほど素晴らしい」といった絶賛の声が多数寄せられており、緻密な工程と圧倒的な完成度に、ただただ見とれる視聴者が続出しているようです。

画像はYouTube「Kirill Runz」より引用

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